top\special\池田朗子個展

サイト・サイト・サイト プロジェクト(since 2000)

their site/your sight(since 2000)
池田朗子プロフィール



池田朗子個展のはなし
第一章 展覧会をはじめよう
第二章 展覧会をつくろう

第三章 展覧会をひらこう
第四章 展覧会は終わった



[オマケ]
池田朗子×藤田千彩
岐阜在住の池田朗子が、東京でするということ。

池田朗子が「サイト・サイト・サイト」を作るまで。

「サイト・サイト・サイト」とこれから。


TOP



池田朗子個展のはなし

第四章
展覧会は終わった

PEELER's COMMENT
野田利也×藤田千彩

野田
「サイト・サイト・サイト」お疲れ様でした。
まず、率直な感想ですが、空間の特異性はさておき、今まで見た「サイト・サイト・サイト」の展示では最も良かったと思います。フラットで小さめな画面で見せるのががベストだと思っていたのと(それまではプロジェクションの場合は大写し、小さく見せるときはブラウン管のモニターで見せていた)、サウンドが効果的に使用されていたことが大きいと思います。特にサウンド。今回の場合は、電車そのものが発するノイズと車掌のアナウンスが映像というフラットな画面で展開している「移動」という出来事を展示空間に立体的に出現させている。

藤田
そうなんです。スペースが地下へ降りる階段の下、つまり天井が斜めである特異性をうまく生かせたかな、と思います。サウンドは画面とスピーカーの距離を置くことで、立体感が出せて効果的だったし。空間を生かしたインスタレーションとしては、うまくいきました。
しかしギャラリーというせいか、地下であるというせいか、思ったより観客数は少なかったですね。


野田
今回の展覧会では教科書的なプロモーションはしなかったんだけど(第二章 展覧会をつくろう参照)、特に見て欲しいという人にはプレスリリースを送ったりしたわけですが、その辺の反応はいかがでしたか?

藤田
したたかに聞こえるかもしれないんだけど、「特に見て欲しいという人」というのは、美術関係者のこと。キュレーターやライターなどに見てもらいたかったんです。たまたま近くにある画廊で、池田朗子と同じような世代や地方出身者の展示をしていたり、39アートの日でツアーという集団が来たり、という特別なことが重なったというのもありますが、望んでいた人は皆さん来ていただきました。そのせいか、仕事で横浜に行ったとき「その展示が面白いと聞きました」って言われたし。でもトータル的には少ないよね。敷居が高いのか、銀座をまわる人が少ないのか、私の目標が高いのか。一般に知らしめるには、ギャラリーじゃないのかなあ?野田さんどうですか?
あと、作品を欲しいと言ってくださる方もちらほらいて、びっくりしました。

野田
個人レベルでの展覧会の集客は、「友達、知り合い」「クチコミ」の域を脱するのは難しいと思っています。「特に見て欲しいという人」が来てくれることが重要でしょう。彼等のデータベースにインプットされるだけで、「一般に知らしめる」可能性が大きく拡がったと思います。もちろん偶然に見てくれた人たちも重要ですが。
「第三章 展覧会をひらこう」のblogの書き込みにあった「アートの伝え方」についてはどうですか?
「ただ作品を見せて、アートを伝えましたでは、あまりにも浅いように思います。」
ということでしたが。僕は今回、展覧会開催の経緯から開催中のblog、終了後のフォローをこうしてwebで展開することで、かなり複層的になっていると考えています。

藤田
私も同意見です。浅いといわれても、作品および作家を一時的でありながら多角的に伝えられたという意味では、かなり深いと思いますけどね。
作品を見せることもアートを伝えることのひとつにすぎません。開催前を公開するということは、あまり前例のないことでしょう。 終了後もレビューだけでなく、インタビューやこうした企画者の対談など、多角的な方向で伝える、ということができるのは、webならではだと思います。
加えて言うならば、こういったことが出来るのも作家が生きている「現代」の「美術」だからだと思っています。
だからこそ面白い、もっと多くの人に生きている美術を知って欲しい、同時代の強みを味わってほしいですね。これからも。

(写真上/サイト・サイト・サイト#00)


topnewsreviewscolumnspeoplespecialarchivewhat's PEELERnewslettermail

Copyright (C) PEELER. All Rights Reserved.