たいくつな毎日
		伊藤風子　Fuko Ito 1972年生まれ 愛知県出身
作品のコンセプト これを作った時は、夏休みでした。毎日毎日自由に使える中で、慣れきった毎日でした。ある程度は楽しいけど、全て予想内の出来事のような気がしました。期待感だけが先走って、予期しないようなことに高揚したりすることもなく、何かイライラしてました。そうゆうものがつみかさなっていって抑圧されたような、そして全てが溶け出しそうでした。そんなことを思いながら作りました。 今後の展開 安定した気持ちをふいに抜け出して飛び上がるような気持ちになる作品を作りたいです。 あなたにとって表現とはなんですか 正直よくわからないけれど、なんか夢を見た時とか妄想の中で考えてることで起こったことに、現実のこと以上に興奮したり楽しくなったり、すごく気持ちをもっていかれるけど。そうゆう感じのことで、今あること以外で、気持ちよいものを探していくことだと思います。

野田
2006年10月にオープンしたair's boxが2007年9月にクローズしましたね。
そもそも前身となるスペースコロンビアがあったわけですが、そこがクローズしてからair'boxがオープンする経緯を教えてください。

竹田
はじめはair's boxを建てる予定ではなかったんです。
2005年9月にオープンしたコロンビアは、2006年5月の時点で活動が一段落しました。それと同時にメンバーの活動環境も変化し、コロンビアの活動自体も変化させなくてはならなくなっていったんです。
コロンビアは僕と田島圭*の二人が「せっかく大学にいるのだから何かをやろう」と思い立ったのがはじまりで、メンバーは同世代の仲間のような人たちが集まって運営していたスペースでした。
はじめはメンバーがそれぞれのコンセプトをセルフプロデュースした展示を中心とした活動していき、それが5月に区切りがついたのです。その時点で大学側と取り決めたコロンビアの存続期間が、あと5ヶ月間くらい残されていました。そこで、残された時間で今までとは違う第2章のようなものができるんじゃないかと思い、前メンバーの了承をえて、メンバーの入れ替えを実施しました。学生にスタッフの公募をし、集まってきたのが今のメンバーになります。ただその時はあくまでコロンビアでの企画展示を手伝ってもらうスタッフという名目で集まったのであって、後にああいう形になるとはまだその時は思っていませんでしたが・・・。
企画もだいたい決まり、さあやるぞという時にトラブルが発生しました。これが後にair's boxが誕生するきっかけとなるのですが、7月に入ったあたりで我々と大学側にコロンビアの存続期間の認識にズレがあることが発覚したのです。我々の思惑よりも早く取り壊さなければいけなくなってしまい、予定していた企画の半分くらいしか実現できなくなってしまったのです。そこで田島と二人で相談し、決まってしまっている企画だけ開催して、そこで終わりにしようと話していたんです。しかし、どうにもモヤモヤした燃えきらなかったカスのようなものが残ってしまい、すっきりしなかったんです。

野田
モチベーションだけは保たれていたのですね。

建物が無いのではどうしようもないとも思いましたが、一度取り壊してまた新しく建てればゼロからスタートできるなと、単純に考えてしまいました。二人とも一度思いついてしまうともう他の選択はできなくなってしまう性格なので、更地になったコロンビアのすぐ隣に新たななスペースを建てる事にしました。
そして、集まったメンバーと話をしていくうちに、彼らは単にプロジェクトのアシストだけではなく、実は表現することに興味があって集まってきているということがわかり、「彼ら自身の表現」へとプロジェクトの新たな方向性のひとつが生まれてきました。
私たちの意識が箱（スペース）をつくるということから、人が集まって何ができるか？というプロジェクトに変わっていったため、箱（スペース）につけていたコロンビアという名称をチーム名（プロジェクト名）にし、箱（スペース）にはair's boxという名称をつけコロンビアの第2章がはじまりました。

*コロンビアとair's boxのもう一人の中心人物。仮設プロジェクトの初期からの仲間で、展覧会「ghost of ghost」や、その他いろいろな企画を彼と立ちあげてきました。
コロンビアはこの田島と竹田で2005年の夏に二人で話していた時に出てきたものが現実に形になったものです。


air's box外観