toppeople[木村太陽インタビュー]
木村太陽インタビュー


Untitled (performance) 2000 p.Keiko Okamura courtesy. Museum Of Contemporary Art Tokyo


Untitled(performance) 2000 p.Takashi Sakai courtesy. Museum Of Contemporary Art Tokyo

木村
これは東京都現代美術館なんです。音入ってます?

藤田
きゃーとか言ってます。みんな優しいですね、垂らしますよーって。展覧会は行きましたが、この作品は知らないです。

木村
パフォーマンスだから、せいぜい会期中の1、2週間くらいしかやらなかった。これ、箱の中にいる僕としてはちょっとこわかった。外が見えないから何されるかわかんないし。女の子の集団が来て、ひそひそ話して、いひひーとか言って、監視員のお姉さんが「あ、やめてください」って。いまなにしたんだろう?みたいな(笑)。

藤田
これお茶ですか?

木村
うん、お茶。みんな笑い方がだんだんおかしくなっていくんだよね。

*youtubeで記録映像をご覧いただけます。
http://jp.youtube.com/watch?v=r4-06OA_3Q4


ブルース・ナウマンの立ち位置

藤田
ブルース・ナウマン?しぶいですね、意外と。

木村
いまブルース・ナウマン好きって言っても、今の若い子は知らないだろうね。


藤田
えー、直島にもあるし、現代美術のキーワードみたいな本にも出てくるじゃないですか。

木村
僕はブルース・ナウマンは現代美術の頂点だと憧れてるんですよ。
ナウマンのポジションていうのを、なんとなくぼーっと考えてたときに、バックがレオ・キャステリなんですね。
レオ・キャステリって、ウォーホール、リキテンシュタイン、ジャスパー・ジョーンズという、いっぱいお金を稼ぐ作家がいたでしょ。
ああいった人に稼いでもらって、ナウマンとかその脇でちょろちょろちょろーって、どう考えても売れるわけないようなゴミみたいな作品を作ってたんです。
それを積み重ねていったら、すごいことになってしまった。
それに比べて、お金を稼いでた作家って、いまカタログを見てあんまりおもしろくないですから。


藤田
そうですよね、あーウリモノ、って感じがしますよね。

木村
そうそう、リキテンシュタインとかウォーホールとか、売りたかったんだなあとか、すごい制約がある中で、自分のやりたいことをすりこませるみたいな感じだったんだと思いますよ。
結果的に回顧展のカタログをみたときに、やりたいことに率直だったナウマンのほうが全然面白いから、ああいう感じのポジションがいいなあと思ってるんです。


藤田
なるほどね、商業的なものはいまも昔もモンダイですね。
いまもてはやされてる作家も、10年後、20年後、100年後かわかんないけど、きっとおもしろくないと思うんだろうな。

木村
でもああいうふうにお金を稼ぐ作家って、絶対必要なんです。


藤田
ええ、確かに。完全否定はしませんけど。
そうじゃないと、美術はただの趣味の世界になりますからね。
マーケットがある、っていうことは、産業があるということだから、必要だとは思っています。

木村
ぼくが活動し始めたころは、作家は純粋に作品作るべきで、それでお金稼いじゃいかん!みたいなへんな風潮があったけど、そういうあり方が奈良、村上シーン以前の日本の現代美術家を食い潰してきたわけですからねー。
 
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