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木村太陽インタビュー

Life's An Ocean - Dead Finks Don't Talk 2007 p.Yoshitaka Uchida courtesy Yokosuka Museum


Life's An Ocean - Dead Finks Don't Talk 2007 p.Yoshitaka Uchida courtesy Yokosuka Museum

藤田
こういうのって売ってるんですか、チャックついてる既製品の布とかって。

木村
作ったんですよ、こういうチャックとか布地を買ってきて、作って。マネキン2体を抱き合わせて、上からぐるぐる巻きにして。この作品、こういうおしりとか、お客さんに閉められちゃうんです。


藤田
え、なんでですか?お客さんに?展示って触っちゃいけないですよね?マネキンが抱き合ってることに興味あるのかな?

木村
なんか恥ずかしいんじゃない?美術館側に「お客さんに触らないで下さいって言ってください」と頼んでも。でも僕が美術館に行くたび、絶対おしりが閉じられてて、そのかわり口のところは開けられてる。なんかチューしてるのかなって、みんな見たいみたい。




Untitled (snack) 1994

木村
学校の近所の市民ギャラリーで個展をしたんです。これはお菓子のカールをつなげたもの。


Black Hole 1995 p.Takashi Watanabe

木村
このぶつぶつはイヤホン。台の下にラジオがあって。

藤田
ぴゅーん、って鳴りましたね。

木村
12時とかでラジオから一斉に時報が鳴って、またそれぞれのラジオ番組がしゃべりだす。なんか音に興味があってね。



面白いという感覚は世界共通

藤田
私、最近のアーティストって、記憶に残らないし、簡単に言えば面白くないんですね。
でも木村さんの作品って、面白いって素直に思えるんです。
しかも今年の始めに金沢21世紀美術館へ行ったときに常設展で木村さんの作品を見たときにショックなことがあって。
この牛乳パックを見るのに、金沢21世紀美術館ですごい行列になってたんですよ!
美術館に普段来ないようなおじさんやおばさんが行列になって、面白がっていたんです。

木村
あそこの美術館、すぐ行列できるんだよね。


藤田
いやいやそうじゃなく。
木村さんの作品のように、見ただけで面白い、っていうものは、裏に秘めてるなにかがあるんですかね?

木村
ありますよ。
本当に面白いって思う、飽きが来ないっていうものは、なにかが裏にあるんですよ。


藤田
ああ、そうなんですか。奥深いっていうか。

木村
うん、だから面白いっていう。


藤田
面白いっていうのは、世界共通なんでしょうか?

木村
うん。あんま変わらないですね。
それぞれの国の趣味はあって、食いつきのいい・悪いはあるけれど、基本的な反応ってそんなに変わらないと思う。
ドイツだったらあのひとたち潔癖症だから、怒られモードに入ることあるけどね。


藤田
怒られモード?怒られちゃうんですか?

木村
そうそう。怒りにいきますって。
ドイツでのトークショーの日に美術館に前もって電話して怒りに来た人たちがいたぐらいです。トークショーのあと、ちょっとした寿司を出して、みんなで飲んで、みたいなことをやったとき「どうぞ食べてください」って言ったんだけど、「僕はいらない」って言われましたよ。


藤田
でもいるんですか?そこの場に(笑)。

木村
そう、なぜかいて怒ってるんです。気難しいんだよね。
 
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