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木村太陽インタビュー

Video As Drawing 1997-ハ p.Takashi Sakai courtesy. Museum Of Contemporary Art Tokyo


Untitled (eating video) 1995- p.Frank Kleinbach courtesy Wuerttembergischer Kunstverein Stuttgart

木村
ものを食べたらべーって。

藤田
こういうなんで汚いものを思いつくんですか?

木村
なんちゅうか、気持ちはロックな感じで。
まあ、動機はダイレクトなんだけど、汚いものとかを作品に持ち込むのって得体の知れない心理を呼び起こすいい手段のひとつなんですよ。



1998- Routine p.Frank Kleinbach courtesy Wuerttembergischer Kunstverein Stuttgart

木村
ここはシュトゥットガルトにあるドイツで一番古い美術施設。

藤田
何が詰まってるんですか?

木村
このときは現地制作でワラを使って。

藤田
ワラでこんなふうになっちゃうんですか。


ドイツ人とノースカロライナに愛されて

木村
でも《Video As Drawing》という一番怒られそうな作品、こないだドイツ人買ってくれましたからよくわかんないもんです。


藤田
どこで買えるんですか?ギャラリーに所属してるんですか?

木村
ニューヨークから1時間くらいのところに、ノースカロライナってあって。
ノースカロライナのギャラリーと仕事してる。


藤田
ノースカロライナ?かっこいいぞ。
打ち合わせとか行くと、ノースカロライナに行くんですか?

木村
こないだ3月に個展したときに行きましたよ。


藤田
すごいですね、ドイツ人とノースカロライナに愛されて。

木村
いや、日本の中だけでやっていけたらいいけど美術界が小さいから難しいし、みんな野良犬のように出て行くしかないんですよ。


藤田
いまの売れる状況、マーケットってどう思われます?

木村
僕がデビューしたころより、全然いまの子って経済的にはいいだろうね。
デビューしてすぐバーゼル出しました、売れました、って言ってるから、今のマーケットの状態がすごくいいなとは思うけど、発想の幅が限られてる人が多いですよね。コマーシャルギャラリーでやってる人じゃなくても。
幅広いものの考え方しなくなっちゃったし、みんなバカしなくなっちゃたな。
それにいまみたいにお金一辺倒っていうのも、僕個人的には困るんだけど。

藤田
木村さんの作品はマーケットじゃないですからね(笑)。
作品の問題なのかもしれないし、今はペインティング至上主義なのかもしれないけど。

木村
お金に付随した作品に対する価値観っていうのはあってもいいと思いますが、何億ついたから一流作家、みたいな今の極端な価値観は、僕は居場所ないですねー。
マーケットっていう、美術界を成り立たせる、構造を成り立たせるものがちゃんとあって、お金の物流がありますよね。
それとまた別の流れっていうのが、お金が潤えば潤うほど余裕が出てくるでしょ?
そういう余裕があれば変なことができる、僕がやりたいのはそういう脇でなにかやってるっていうことなんですよ。


藤田
ポジショニングまで自分で決めてるんですか?

木村
うん、決めてる、まじめに。
あんまりお金の真ん中っていっても、創造的なものができないと思う。
僕いちばん好きな作家がブルース・ナウマンなんだけど。
 
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