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木村太陽インタビュー


Taiyo Kimura Interview

木村太陽と久しぶりに会ったのは、流行作家が並ぶグループショウのトーク会場だった。
グループショウの作家に、ではなく、木村に私はインタビューを申し込んだ。
流行としてではなく、自分の嗅覚で時代をかぎとること。
強く望んだ木村との対話で、私はゆるぎない「美術の本質」を改めて強く実感した。
このインタビューを読む人には分かってもらえると信じている。
売れるアートが一番ではない、ということを。
そして、単純に見えて誰にでも分かるものこそ、本当は複雑に作られ人間の本質を突いてくる、ということを。

INTERVIEWER 藤田千彩
Untitled (milk box) 1997- p.Yoshisato Komaki
Collection of 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
 


Untitled (milk box) 1997- p.Yoshisato Komaki
Collection of 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa

藤田
この牛乳パックを見るのに、金沢21世紀美術館ですごい行列になってましたよ。美術館に普段来ないおじさんやおばさんが行列なって、面白がっていたんです。



No Exit 1994

木村
これは学生のときの作品ですね。なつかしい。


藤田
どうやってまわってるんですか?

木村
球の中にモーターが入ってて、モーター自体が回転しているんです。


藤田
ふきだしの形になった枠の中をくるくるしてるんですね。声が聞こえますね。

木村
ことだまっていうか、言葉を書いたボール、つまり言葉がころころ転がってるように見えます。



デビューして12年目

藤田
こんにちは。いろいろ思い出してみたりした中で、私が木村さんの作品を一番最初に見たのは、ゴミ袋が動くものか、おしりの下半身が動くものだと思うんですけど。


Not Yet Titled 1997年

木村
それは動いてました?それはどこで見たんですか?京橋のギャラリー山口の下で見たのだったら、動いてる。
動かなければ横浜の県民ホール。
それが98年、もう10年経つのか。


藤田
動いてた気がする。うーん??
98年ね、木村さんのサイトを見てて、私も気になりました、サイトに制作年書いてあるじゃないですか。

木村
正式に言うとデビューして12年経つんですよ。
学校卒業して発表し出して12年目、なんです。

藤田
今日は、木村さんの作品は面白いんだけど、なぜ面白いのかなあとか、そういうことを聞こうと思ってます。
関係ないけど、木村さんって、なんで携帯持たないんですか?

木村
なんか電車の中とかでみんなかちゃかちゃいじってるでしょ、あれ見て暗いなって。
あんまり楽しそうじゃないなって。


藤田
そういうポリシーみたいなのがあるんですか?

木村
ポリシーって言うより、生理的に。なきゃないで済んじゃうから。


藤田
このご時世で?すごい、現代人なんだろうか?パソコンも駆使してるのに。

木村
もし必要なときは人に借りるし。
パソコンもやだ、これなければ仕事できないけど。


藤田
ハイテクそうなのに、そういうことをいうのは・・・。作品は動いてるし、ハイテクぽいですよ。

木村
ハイテク?僕ローテクですよ。
キネティックアートとか昔からあるでしょう?
 
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木村太陽(きむらたいよう)
1970   神奈川県鎌倉市生まれ
1995   創形美術学校研究科卒業

最近の展覧会歴
2008   個展 "Taiyo Kimura, Propagation" Branch Gallery ノースカロライナ、USA
"Laughing in a Foreign Language" ヘイワードギャラリー、ロンドン、UK
2007   "10th イスタンブールビエンナーレ" イスタンブール トルコ

木村太陽さん
p. Katsuhiro Saiki
 



 

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