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[山本一弥インタビュー]
山本一弥インタビュー
《タブー》H130×W225×D200cm / 2008年 / 撮影:柳場大
あえてイメージのピントをぼかす
山本
あと、花柄を描いた理由はもう1つあります。イメージをあまり1つのイメージに近づけたくなかったというか。直接的にしたくなかったという場合に花柄を描いていました。
立石
花柄を描くことによってピントをぼかしていた?
山本
そうですね、たとえば肉の塊だけだとイメージがひとつ「大きい肉」なんだけど、花柄を描くことによって「なんでしょう」みたいなところも多少でてくる。あんまりこう、ストレートにいきたくないというか……結構いってしまっているかもしれないですけど。(笑)
立石
よく、顔があまり見えない作品が多いですが、その辺もイメージの問題とつながってくるのでしょうか?
山本
そうですね、今までの作品というのは、誰が見ても違和感なく受け入れられるようなもの。例えば富士山とか、バンビとか。そういう誰の中にでもある「記号的なイメージ」を作りたかったんです。そういうときに顔が出てきてしまうと、イメージが限定されてしまうような気がして……。同様に、変わったポーズもつけられなかった。シンメトリーな形を崩してポーズをつけたりすると「何かのこういうとき」って限定された場面なってしまうのではないかという思いがあって。要するにあまり限定的にしたくないんです。「何かの何」っていう。
立石
そうですね、やはり「顔」ってかなり印象付けてしまいますよね。
山本
性格を出すのが嫌だったというのもあります。例えば生き物だったら、生き物の表情、やさしい感じとか、性格悪そうとか、そういうのを出したくなかった。
立石
多くの人が共有できるイメージ。けれどそれぞれそこからイメージを成長させて違うことを考えていそう。面白いです。
山本
あとは単純に切った方がすっきりしていいかなあと思って。そういう勘みたいなところもあります。(笑)
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