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神戸智行インタビュー


続・日本画のつくりかた


藤田
神戸さんの作品は、日本画なので床に置いて描くんですよね。
そうすると床面積イコール絵の大きさ、になると、大きなアトリエが必要ですよね。

神戸
はい、だから僕の作品は分割しているものが多いです。
制作する時は、作成した大下図をもとに常に頭の中で全体のイメージをもって描いています。
会場に展示をしてみて、はじめて全体がつながったのを見ることもあります(笑)。

藤田
今回の展示を見て、会場が明るいな、照明の数が多いな、と思った作品もありました。
アトリエでは自然光で描いているのですか。

神戸
本来は自然光の照準にあわせて、健康的に昼間に描いた方がいいんでしょう。
でも僕は朝まで描いてしまうことが多いので、蛍光灯のもとで描いてます。
あと銀箔を貼って描いていると、天井からの蛍光灯の照り返しもあって、画面が明るく見えます。
幅が10メートルを越える大作を描くときは、銀箔を貼った画面が部屋中に立てかけてあるので、その反射で部屋中が明るくなっていますよ(笑)。 


佐藤美術館「神戸智行展 イノセント・ワールド」展示風景
箔は照明の当て方によって、さまざまな発色をしていろいろな表情を見せます。
会場で展示する際、作品に合わせて照明を設定します。

藤田
葉っぱの形は、どうやってつくっているんですか。

神戸
箔を葉っぱの形に切り抜いて、つくっています。
虫食いの穴は、線香とかで刺すと焼けていくので、そうやって穴を開けています。

藤田
へえ、面白いですね。
それと神戸さんの作品には、植物や昆虫などが登場しますが、実際に家で飼われているんですか。

神戸
はい、飼っていて、家にヤモリやカエル、サワガニなんかもいます。
実際、家で飼って共に暮らすことで、彼等はさまざまな表情を見せてくれます。スケッチの時には気付かなかったことや、作品を制作する上で、イメージがふくらんできます。

 
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