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寺島みどりインタビュー

 
「もっと描きたい」
そう彼女が思うとき
Midori Terashima Interview
《見えていた風景−記憶の森−》公開制作風景 2010 年京都芸術センター 撮影:表恒匡

昨年「見えていた風景 トリコロールツアー」、今年は京都芸術センター「見えていた風景 - 記憶の森 -」、と大胆なペインティングを発表してきた寺島みどり。
息づかいまで伝わってくるような大きな絵画表現に至るまで、長い間、彼女は苦悩を続けていた、という。
「もっと描きたい」と寺島が思ったとき、私は話を聞くタイミングを得た。
時代とか流行とか、自分とか他人とか、背の高さを比べるように気にしてしまうのは、もうやめよう。

INTERVIEWER  藤田千彩



塗りとか色とか形について


個人的な話になりますが、今年2010年2月の京都芸術センターに伺えなかったので、今日は御殿山生涯学習美術センターで寺島さんの作品にまた会えて、とてもうれしかったです。
昨年3会場で作品を見たときも思ったことですが、「塗りっ」とした筆づかい、はきはきした色づかい、本当ははっきり形が分かるものを抽象で表現している、という寺島さんの作品がたまらなく好き!なんです、私。
だからまず、塗りとか、色とか、形とか、そういう部分のお話を伺いたいのですが、絵具とか筆とかこだわりはありますか?

寺島
もちろんあります。道具にはそれを作った人の愛を感じる時があり、そんな時は大切に使いたいと思います。
だけどその逆に愛を感じないものもあるんですね。例えば筆。ただ毛を束ねただけ、一体何を思ってこの筆をつくってるのか、何に使えというのかと悲しくなることもあります。
まあ、その筆自体の責任ではなく、自分の求めているものと違うだけなかもしれませんが。


藤田
絵具はどうなんですか。

寺島
絵具は私の思った強さで発色してほしいと思っています。
派手で鮮やかなものだけはなく、どんなに渋く、暗い色であっても色として存在するような画面をこころがけていますので、色のコントロールは細かいところまで気になります。
絵具はそれに使われている顔料(色の粉)の成分で大きな個性は決まるのですが、その個性を発揮している絵具でないと違和感を感じたり、コントロールが上手くいかないことがあります。例えば「カドミニウムイエロー」という発色が良く、混色しても白っぽくなったりしない黄色があります。でも各メーカーによって成分や製法が違うので、時々その特性が発揮されていない絵具にあたるときがあります。パレットに出しただけではわからない微妙な違いの場合が多いのでそのまま使っていくと、描き進めて行った段階で、その色が思ったよりも沈んでたり、混色したものの発色に違和感があったりすることに気がつくんですね。
そうならないためにも、実際使ってみて良いと思った絵具だけで制作すれば良いのかもしれませんが、新しい絵具には思った以上の鮮明な発色や、今まで知らなかった色合いに出会う可能性もあるので、画材を買いに行くと新しい絵具を1つか2つは買ってしまいます。
あと、練りとか光沢とか......。あげればきりがなくなってしまいますね。道具は大切です。


藤田
形はどうなんでしょう、目に見えたものを抽象化していった形ですよね。

寺島
そうですね。心の動きの表現だとか、アクションペインティングとかいったものではありません。最近の仕事は、自分が見たもの、経験したことが最初にあり、それをもとにしています。


藤田
「最近の仕事は」とおっしゃいますと、これまでもいろいろなスタイルで制作されてこられたということですね。制作を始めた頃はどのようなものだったのでしょうか。

寺島
制作を始めた頃というか、絵画を追求すると心に決めた頃とすると、2003年頃のことですね。

 
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寺島みどり(てらしまみどり)
blog : http://terashima-midori.blog.so-net.ne.jp/
site : http://www011.upp.so-net.ne.jp/WelcomeMidlab/

1972   京都府生まれ
1996   京都市立芸術大学美術学部美術学科油画専攻卒業
1998   京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了

主な個展
1997   ギャラリー白(大阪)
2002   「Gusto Room」GUSTO HOUSE(神戸)
「an installation」gallery Den(大阪)
2003   gallery Den(大阪)
2004   Oギャラリーeyes(大阪)
2005   石田大成社ICBカフェ(京都)
Oギャラリーeyes(大阪)
2006   gallery Den(大阪)
Oギャラリーeyes(大阪)
「旅人の胸」 neutron(京都)
「旧作展」文椿ビルヂングギャラリー(京都)
2007   Oギャラリーeyes(大阪)
「jesus fever」deem(兵庫)
「私たちが見つけたもの」gallery Den 58(大阪)
2008   STREET GALLERY(兵庫)
ギャラリー風(大阪)
2009   「見えていた風景 森」Gallery Den(大阪)
「見えていた風景 空」neutron-tokyo(東京)
「見えていた風景 コトバ」neutron-kyoto(京都)
「見えていた風景」奈義町現代美術館(岡山)
2010   「Lingering Landscape」文椿ビルヂング・ギャラリー、ニュートロン・カフェスペース(京都)
公募・京都芸術センター 2010「見えていた風景 ―記憶の森―」京都芸術センター(京都)
アトリエ美術館 VOl.14「見せていた風景−光−」枚方市立御殿山生涯学習美術センター(大阪)

主なグループ展
1995   「あさのみほ 寺島ミドリ 二人展」ギャラリーキャンプ(京都)
1997   第2回アート公募展」モリスギャラリー(東京)
「Contemporary Remix 万葉集 写真展」プレビュービル(大阪)
2002   「やわらかなインスタレーション展」シティギャラリー(大阪)
「MUSUBU 4人展」菱の実ギャラリー(兵庫)
「How are you, PHOTOGRAPHY? 展」ギャラリーマロニエ(京都)
2003   「15少年漂流記」府立現代美術センター(大阪)
「CAUSE ON THE SURFACE」Oギャラリーeyes(大阪)
「現在芸術「かまぼこ」オープニング」かまぼこ(大阪)
「出店定食店(グループ)」かまぼこ(大阪)
「炭と油とイチョウ並木/暗口-感光」アトリエ2001(兵庫)
「15少年販売機」GUSTO HOUSE(兵庫)
「京都写真展」ギャラリーマロニエ(京都)
2004   「ハルオトコとハルヲンナ」Cafe CARINHO(京都)
「Visual Sensation」 gallery Den(大阪)
「Ui Wang 国際プランカードアート2004」(韓国イワン市)
「こびるとこびない -15少年漂流記-」ギャラリー白(大阪)
2005   「Art Court Frontier 2005」Art Court Gallery(大阪)
2006   「15少年漂流記」府立現代美術センター(大阪)
2007   「VOCA展」上野の森美術館(東京)
「Art Court Frontier 2007 #5 ACCbox 」Art Court Gallery(大阪)
「ヨッチャンの部屋 vol.3 現代美術芸術家列伝」大阪造形センター(大阪)
2008   「風のFORM」ギャラリー風(大阪)
「BLUEDOT ASIA 2008」ソウルアーツセンター(韓国ソウル市)
「比良から新しい風がVOL.52」比良美術館(滋賀)
「ペインタリネス2008」ギャラリー白(大阪)
「MARKET TRACE」ART TRACE GALLERY(東京)
2009   「It's a small world」neutron-kyoto(京都)
「星に願いを」neutron-tokyo(東京)
2010   「とよた美術展2010」豊田市美術館(豊田)
「富士山展」neutron-tokyo(東京)

受賞/グラント
1997   京都市立芸術大学作品展 「華楊賞」受賞
2008   第23回ホルベイン・スカラシップ
2010   公募・京都芸術センター2010/審査員=河瀬直美
財団法人朝日新聞文化財団助成
「とよた美術展2010」入選 豊田市美術館(豊田)
寺島みどりさん 
 



 

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