top\people[島村敏明インタビュー]
島村敏明インタビュー
     
《drawings》(カルトンにアクリル、マスキングテープ、2004年、ギャラリーそわか(京都)での公開制作作品)
     

京都、そして、岡山へ。




絵画を追求する、その理由。



平面作家が競う展覧会、VOCA展への参加。



絵画を追求する、その理由。


藤田
ずっと「絵」なんですね。

島村
そうですね。
学生時代は写真をそのまま絵に起こすような、そんなスタンスで絵を描いていました。
つまり平面から平面への移行です。
だんだん描いていくうちに、描いていたもの自体よりも、描いている過程のようなものが、僕には大事に感じてきました。
そして作品も、映像や色数といった情報を少なくなっていきました。

藤田
たしかに少し暗いような絵が多いですね。

島村
VOCA展の推薦文には「作品がプリミティブだ」という言い方が出てきます。
僕としては、具象か抽象かということにとらわれず、何を描いているか分からないという絵を描きたいのです。


ニュータウン・アートタウン展(2002年、岡山県山陽団地)で、毎日描いていた様子
藤田
売れようと思わない?

島村
たしかに学生時代は“狙って”描こうとしていた、野心的な部分もあったかもしれません。
それが売れるということに繋がれば、それはそれで良いのですが・・・。
でも僕の表現は、自分の手で表現していることが分かること、ぎりぎり何が描かれているか分かるような、そんな作品を作りたいのです。

藤田
ファイルを見ていると、学生時代のときは、はっきりと“風景”だったり、“花”だったり分かりますよね。


 
島村
そうですね。
いろいろな作品を見ていくうちに、たとえばドイツに旅行したとき行ったいくつもの美術館に刺激を受けました。
ドイツの美術館にある作品で、「わけが分からないものばかりがある」ことがわかったんです。
ボイスのすごく小さな作品を大きな額に入れている、とか。

藤田
そういった経験で、自分のスタイルが見えてきた、ということですね。

島村
まだまだ何を自分が求めているか探しています。
絵に限らず、これはいい、楽しい、いやだ、という、何かを探していますよ。
 

| 1 | 2 | 3 | 前のページへ次のページへ



 

topnewsreviewscolumnspeoplespecialarchivewhat's PEELERwritersnewslettermail

Copyright (C) 2006 PEELER. All Rights Reserved.