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第21回・現代日本彫刻展のご案内 vol.3
  『Villa TORAYAN(地下内部)』
   
今回は初めての野外彫刻展に出品かと思うのですが、どういうところに気を遣われましたか?

ヤノベ
下見に来た時にこの常盤公園を見てその風景に感銘を受けました。まず風景になじむ事、でも「あっと」いわせる仕掛けを作ることを考えました。
それと「耐久性」ですね。

もちろん屋外展示なので「素材」の選定についてはあるのですが、もう一つは「人の目の耐久性」です。


友利
そうですね。「人の目の耐久性」ってありますね。

ヤノベ
美術館に展示する場合、そこはある程度美術作品を見るという意識を持った人だけが集まりますよね。でもここは公園。
子供から老人まで全く美術の予備知識のない人が散歩がてらにやってくる。
そういう人々にも理解できて純粋に楽しめる、それでいて僕自身のメッセージも読み取れる。
美術館の外でも十分に存在感を示す力強さという耐久力のことです。
そのことを今回は強く意識しながらプランを考えました。

まあ、今回は、一番良い場所をいただいて、たくさんの人に(宇部市公園緑地課職員)手伝ってもらいました。
皆、まるで、自分の作品のように作ってくれたんですよ。
これほど、すばらしいことはないですね。


 
スタッフとの息もぴったり!
  友利
シェルター入り口の土嚢のことですね。
このアプローチ部分に関して、ヤノベさんは、どんなんで来るか!と、私はドキドキしていたことのひとつだったんです。土嚢できましたね。

ヤノベ
ええ、800個も積んでもらいました。始め、市の人が手伝ってくださるって、知らなかったんですよ。自分で積むならシェルターに住み込んでキャンプしながら滞在制作かなぁ、なんて考えていましたから。
シェルターを埋めに来た時に公園課の人と話をしているとなんだか盛り上がっちゃって。
殆ど指示もしないままその日は帰ったんだけど2週間ほどして宇部に戻るともうほぼ出来てしまっていました!。驚きました(笑)。
それから僕がその上の小屋を組み立てている時も土嚢積みの作業をしてもらっていたんだけど、皆勝手にやっている。
僕の意見聞かないで自分で判断して「これはヤノベ先生のイメージだ。」
「いやこうだ。」とかディスカッションしながら楽しく積んでいる。
作家本人が横にいるのに(笑)。


友利
で、造形的には?(笑)

ヤノベ
とても満足しています。
不思議とイメージどおりに、いやそれ以上に仕上がっています。
というか途中で口も挟めなくなってしまって…(笑)。
なんか皆で盛り上がってるんだもん。最後に「今までここの設営作業を何十年もしてきたけど一番楽しかったです。」っていわれて。嬉しかったけど心の中で「そらそうやろ。」とも思いましたよ。ははは。
でも本当に素晴らしい人たちでした。


友利
ありがとうございます。みんな喜びます!

ヤノベ
僕は、いつもまわりのスタッフとの出会いに恵まれてるんですよ。
まわりがしっかりしているから自分一人じゃできない「大きなプロジェクト」を進めることが出来る。
皆、損得勘定ぬきで助けてくれる人がいっぱいいるから何とか持ちこたえている。これほどの幸せはないですね。


友利
今、ほどよい疲れですか?
無理されないよう、しつこいですが、お気をつけてお帰りくださいね今日はありがとうございました

ヤノベ
なんか、おかあさんみたいな人やなあ〜


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おまけ

そうそう、ヤノベさんの写真集が出たんですって!
え?2冊も?DVDつき?

『ヤノベケンジ 1969-2005』
青幻舎
デビューから最新の「キンダガルダン」展までの15年間の全作品集
(これで、ヤノベさんの全てがわかる)

『ヤノベケンジ:ドキュメント・子供都市計画』
美術出版社
金沢21世紀美術館・半年間の公開滞在制作の全記録
(子供都市計画は、前代見聞のアートプロジェクト(笑)と言われてマス)

これは、見逃せないね!

ヤノベケンジ
YANOBE KENJI ART WORKS /// ヤノベケンジ アートワークス
http://web.iminet.ac.jp/yanobe/



 

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