前回、紹介したオルガーデンでの制作、展示した、”sightseeing”を再制作し、9月8日から、9月24日まで、
“souvenir”と名付けて、神戸のCAP HOUSEで帰国展を開催する事になった。
そもそも、私がCAP HOUSEを最初に訪れたのは、数年前、知人達のイベントであった。しかしながら、関西に引っ越してから、自分のペースができるまで、興味深いイベントがあることは聞こえてくるが、なかなか訪ねる事ができないでいた。
1999年から関西在住アーティストと美術愛好家による非営利団体(NPO)C.A.P.(1994年結成。The
Conference on Art and Art Projectsの略称で、この名称は「芸術と計画会議」という意味。)によって、運営されている「CAP
HOUSE」旧神戸移住センターを使った、C.A.P.のプロジェクトの一つ。現在訪れる人には、そのまま「CAP
HOUSE」と愛称の様に呼ぶ。移住センターだった建物はところどころ壁がはがれたりするのも味わい深く、歴史を感じさせる。道程は神戸の三ノ宮から山側にむかって徒歩10分程度。
私がオルガーデンでの制作した作品をCAP HOUSEで、再制作したのには、私の中でその2つのオルタナティブスペースに共通点を見いだしたからだった。
まず、地理的関係。オルガーデンのあるボラスという都市はスウェーデン第二都市のイェーテボリから一時間程。CAP
HOUSEのある街と雰囲気や流れている時間が少し似ているような気がした。
2つ目に、その機能の仕方。どちらも、所在する市の建物を利用しているという点。また、建物の改装、管理をアーティスト達が行っているという所。藤本由紀夫さんや、杉山知子さんらのキャリアのあるアーティストが、昼食時に集った若いアーティスト、メンバーと和気あいあいとコミュニケーションをとっているのを見て、オルガーデンでのランチを思い出さずにはいられなかった。
今回、作品で同じ空気を持つ2つの場所を、なにか見えないものをつなげたいと言う衝動を押さえきれず、また、現在もどこか懐かしい空気のながれる空間が、改装工事の為に、今年度3月までで、一旦閉鎖になってしまうという噂を聞き、メンバーの一人である、岩淵拓郎さんに駆け込みで橋渡しをしてもらい、今回の展示に至った。
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