toppeople[柴川敏之インタビュー]

柴川敏之インタビュー

2000年後の冒険ミュージアム/広島県立歴史博物館
エントランスホールでのギャラリートーク

2000年後の冒険ミュージアム/広島県立歴史博物館 ガラスケースのコーナー
柴川作品(ビデオのリモコン、携帯電話)と草戸千軒町遺跡の出土品(釘)を混在させたガラスケースでの展示

「発掘された作品」を作ったきっかけ



草戸千軒と展覧会



広島での活躍とこれから


  2000年後の冒険ミュージアム/広島県立歴史博物館
円のコーナーでのギャラリートーク
[広島での活躍とこれから]

柴川
展覧会には約20,000人、ワークショップには約6.500人のみなさんが参加されました。展覧会終了後、関連企画として「2000年後の冒険ミュージアム みんなの作品大公開!!」、「冬のスペシャル企画 2000年後の冒険ミュージアムパート2 ワークショップ作品展」を開催しました。見逃された方のために記録集の出版を予定しています。文部科学省科学研究費の助成を受けて、現在、本展の記録集を作成中です(2005年3月末の予定)。約250ページを予定しており、内容は展覧会の図版、草戸千軒町遺跡の資料、柴川敏之の資料、ワークシート、ワークショップ、ボランティアスタッフ、関連企画、展覧会データ、みなさんの言葉(館長、子ども、保護者、先生、ボランティアスタッフ、大学関係者、歴史関係者、美術関係者、マスコミ関係者等の様々な立場の方々からの文集)等です。完成した折には、数に限りがありますが希望される方に無料(郵送費負担)でお分けしたいと思っていますのでご連絡ください。メールでお問合せください。 shibaka@m13.alpha-net.ne.jp

藤田
ところで、柴川さんはいま、広島(広島県東部の福山市)という地方で制作活動をなさっています。最近、私自身があちこち動いて気づいたこととして「東京が文化の中心である」という認識は薄れつつあるのではないか、と。実際地方にお住まいの柴川さんとしては、活躍する場として広島はどういう町ですか?


柴川
若い頃は私も遠くに憧れてよく旅をしました。遠くには自分の知らない何かが見つかるんではないかといろいろとまわりました。しかし、旅をする内に、旅先から見ると自分の住んでいる福山は果てしなく遠いところでした。この経験から自分の住む場所や地域を大切に見つめて行こうと思いました。

藤田
私も最近、出身である岡山を大切に思うようになりましたよ。


柴川
私は大阪で生まれ、小学校2年生までいました。その後、名古屋に移り、小学校5年生の時に大阪に戻り、中学校3年生からはずっと広島市に住んでいました。そして、約10年前(1993年)仕事の関係で広島県の福山市に移りました。また、イタリア留学中に思ったことは、向こうではそれぞれの住む町を大切に誇りを持って暮らしている。お国自慢の話もよく耳にしました。そして、地方発全国及び全世界に向けての産業が多いようでした。私自身、せっかく福山に住んでいるのだから福山でしかできないことをやっていきたいと思っています。

藤田
「2000年後の冒険ミュージアム」の展示があった広島県立歴史博物館も、草戸千軒町遺跡も、福山にありますね。


柴川
本展は地域社会における様々な立場の人々との連携で成り立っていました。まず、草戸千軒という地域の歴史遺産を紹介する地域の博物館を舞台に、そこの職員と地域に住むアーティスト(柴川)が連携し企画を立てました。そして、地域に住む市民や大学生がボランティアスタッフとして展覧会を支え、地域の子どもたちや学校等の活動をサポートします。そして、地域に住む多くの子どもたちから大人たちは多くの感動とエネルギーをもらうこととなりました。地域を中心に活動するアーティストが、博物館、市民、学校等の連携を手助けし、地域の人々が連携し作り上げる展覧会を目指しました。広島県にいるのにはもうひとつの理由があります。それは、広島大学相撲部の存在です。このクラブは私が大学1年生の時に創設し、4年間主将を勤めていました。現在は副監督として後進の指導にあたっています。現在は留学生の部員が中心に活動をしています。この相撲部での活動や体験が、私の制作にも少なからず影響(土の感触、土俵のサークル、まわしの素材、あうんの呼吸等)を与えてくれています。

藤田
なるほど、柴川さんが作ってきた作品や背景となった土壌が分かりました。来年は早々に東京の上野の森美術館で行われるVOCA展に出品されます。どういう作品を出されるのか、
とても楽しみです。また、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 で開催される「風景遊歩 sight-cruising展」でのワークショップ(2005年5月14日、15日)、奈義町現代美術館 での個展(2005年8月〜10月)を予定されています。これからのご活躍をお祈り申し上げます。今日はどうもありがとうございました。

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