あーとふる山口参加風景
<+zoom> |
あーとふる山口参加風景(佐藤時啓さん、中央)
<+zoom> |
ワンダリングカメラ・秋吉台撮影風景
<+zoom> |
|
INTERVIEWER 友利香
写真やカメラを通して、人々のコミュニケーションをテーマとした展覧会やプロジェクト活動、ワークショップなど幅広い活動を行っている佐藤時啓さん。
山口情報芸術センターにて《“pin-holes
project in Yamaguchi” 針穴図像 −光の間−》の展覧会準備中の佐藤さんにお話をお聞きしました。
友利
こんにちは。お久しぶりです。咋年10月の秋吉台の撮影に参加させていただいて以来ですね。その時の作品は今、見てきたところです。
綺麗ですー!今回のYCAMでの展覧会は一口でいいますと、どんな展覧会と言えば良いでしょうか。
佐藤
昨年6月から山口情報芸術センター(YCAM)『meets the artist ※1』第1回目アーティストとして、市民コラボレーター「ルチーダフレンズ※2」と一緒に『カメラオブスクラプロジェクト』を展開してきました。
その活動の発表というべき展覧会なんです。
友利
今回のような長期コラボレーションという形は珍しいのではないですか。
佐藤
長期で熟成というのは初めてですね。一年を通して積み重ねて、いろんな勉強になりましたね。
最初レクチャーしたでしょ。次に子どものワークショップでダンボールカメラを作り、単純な虫メガネとかダンボールで、映像が写るということを多くの人に体験してもらい、同時に、それを大きくした「obscura
machina 2004」をYCAM内に制作設置、中に入ってカメラの原理を身体で体験してしてもらいました。
10月にはワンダリングカメラ(※3)を連れてきて、みんなに更に体験してもらいました。それから、フィナーレとして何をしようか?ということで、今回の展覧会になりました。
まあ流れとしては自然で、起承転結ができたし、僕自身の中でも新作としてトライすることができたので有意義でした。
友利
山口市の印象はどうでしたか?
佐藤
山口を歩いていると、路地とか町並みに「路地感」があるっていうのかな?そういう山口市の空間をどうやって記録できるかを常に考えていましたし、いろんな人とも話し合いました。結局、そのままそっくり全体を撮りたいという気持ちが強かったので、それを撮れるカメラとして360°カメラ(※4)とか多孔カメラ(※5)が出てきて、最終的に作品としてそれを作りました。まだ終わってないけど・・・(笑)。
※1)YCAMの長期参加型のアートマネージメントの活動。毎年アーティストと市民が約1年にわたって山口でのアート活動を実践していくことを目的にしている。
※2)「ルチーダ・フレンズ」:佐藤時啓さんと共に2005年3月まで活動する市民ボランティアの名称。
※3)佐藤時啓さんが制作。小型キャンピングトレーラーのような外観で、中に入って映像を体験、撮影もできる大きなカメラ
※4)同時に360°撮影できるようにピンホ−ルカメラを複数配置したカメラ
※5)一枚のフィルムに対して、複数のピンホ−ルによって撮影するカメラ
次のページへ
佐藤時啓(さとう・ときひろ)
1957年山形県生まれ。81年東京芸術大学美術学部彫刻科卒業
83年同大学院美術研究科彫刻専攻修了
93年メルセデス・ベンツ・ジャパン・アートスカラシップにより渡仏
94年文化庁在外研修員として渡英
光をテーマとした彫刻、写真、カメラオブスクラをモチーフとしたプロジェクトなど多岐にわたる活動を展開。国内、海外でも展覧会や個展を多数開催
現在、東京芸術大学先端芸術表現科助教授
サイトシ−イングバスカメラプロジェクト
3月12日(土)にサイトシ−イングバスカメラが銀座を走ります。
佐藤時啓がこれまで実施してきたワンダリングカメラプロジェクトは、移動することのできるカメラオブスクラでしたが、これは新たな試みで、映像を体験しながら動くことのできる可動式のカメラオブスクラです。(サイトシ−イングバスカメラHPより。) |
|
|