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アートの近所 ET4U/デンマーク


展覧会のオープニングに来てくれた子供達。ET4Uの前にて。

列車のチケット

今年の3月末、デンマークへ展覧会のため行った。コペンハーゲンから電車で4時間半、Holstebroという駅から車で40分、山のない真っ平な地形、地平線から生えているように見える、白い風力発電の風車。パラパラと芝生の上にいるのは牛や、羊。ちょうど春を迎える時期、大きなトラクターが広大な畑を耕し、そこから強烈なたい肥の匂いがする。それまで、En Tangsooade4Udstilling(略してET4U)のディレクターのKlavs Weissとは、一度日本で出会って以来、メールで連絡をとっていた。ウェブサイトなどでET4Uの内容を把握していたものの、あまりののどかな環境に、車の中で,私は、内心戸惑っていた。
Klavs Weissと私は、私が地元のあるレジデンスに訪問した時、彼もパートナーを訪ねてきており、偶然に出会って作品を見せ、話をした。それから、ほぼ3年以上経ち、今度は私がKlavsに呼ばれて、デンマークを訪れることになった。お話を頂いた時は、各地へ出向いて撮影を続ける、私のプロジェクト「サイト・サイト・サイト」ができる!と直感的にデンマーク行きを即答してしまっていた。それまで、私はデンマークの事情も分らず、正直、位置だってどこにあるのかよく分らなかった。恥ずかしながら、メールを貰ってから、あわてて地図を開いて確かめたのだった。



ET4Uの外観
ET4Uは、今年で活動がおよそ5年になるという、Klavs自身、一人で運営しているアーティストランスペース) 小さな住宅地の入り口にある2階建ての一軒家で、1階に展示スペースが2部屋、と「JIB CUBE GALLERY※」が設置されている、(※80cm四方の立方体になっているガラス張りのショウケース。フランスのJarnac と、日本の一宮と、デンマークのET4Uのある、Boolingbjergで同じ規格のショウケースで展示が定期的に展示が行われている。)一番小さなスペースがあり、そのドアをあけると、バスルームと二階のレジデンススペースに繋がる階段がある。二階には小さなキッチンとテレビ付きのリビング兼ベットルームがあり、私はそこで、およそ10日間、快適に過ごした。ET4Uのお隣には「牛の角工芸」のワークショップがあり、そのオーナーが無償でET4Uのスペースを提供してくれているということだった。そこに過去5年の間に、ほとんど途切れる事無く海外からアーティストをゲストとして招いている。多くの作家が何日間か滞在しKlavsやその近所の人たちとコミュニケーションをとりながら設置作業をしていった。私もKlavs やワークショップのオーナーに手助けされながら滞在期間の半分を展示の準備に当てて過ごした。
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