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大谷有花インタビュー

眼のある風景
Landscape with an Eye
2001
Oil on canvas
145 x 101.5 cm (80号)
zoom

無意識との対話 I
Talk with Unconscious I
2005
Oil on canvas
145.5 x 112 cm (80号)
zoom

自分の中の他者との対話が、今回のテーマです。



自己の感覚からでたイメージが、どのような形態を望んでいるかを考えます。


大谷有花さん(c) Ryudai Takano
キミドリとピンクの色を使った絵が印象的な、大谷有花さん。
大谷さんの作品を見ると、元気になろう!って思います。
今回は、5月に東京・六本木にあるGALLERY MoMoで個展をされる大谷有花さんにお話を伺います。

INTERVIEWER 藤田千彩


新作は“無意識”との対話から


藤田
こんにちは。早速ですが、一年ぶりに東京で個展ですね。
去年GALLERY MoMoで私は初めて大谷さんの作品を見ました。
どきっとするような色、かわいいモチーフ、やっぱり同世代の、特にペインターの中では、“飛びぬけた感”や“あか抜けている感”を衝撃として受けた記憶があります。


大谷
前回のGALLERY MoMoでの個展「リラックス」は、GALLERY MoMoが、開廊して間もないということもあり、一般のお客さまが見ても親しみやすいようなモチーフで、まずは、何も考えずゆっくり絵の中に身をおいてもらおうということを重視し、キミドリとピンクの世界をリラックスした気分で味わっていただこうと考えた展覧会でした。

藤田
確かに、そのコンセプトがとてもよく伝わってきた展覧会でした。
今回はどういう作品が並ぶのでしょうか?


大谷
今回は、二回目ということで、もう少し心の奥の風景へ、はたまた、脳の中の風景へと駒を進めることにしました。
なにかと忙しい日々の中では、自分の中の無意識について深く思いを巡らせることも少ないかもしれませんが、「マインドスケープ」と題した今回の展覧会をご覧いただいて、それぞれの人の中にある未知なる部分あるいは、可能性の部分を感じていただくきっかけになればと思っています。

藤田
いきなりすごいところに行きますね・・・。「無意識」とか、「未知なる部分」とか。


大谷
物質面での脳の研究が進んだ今日においても、人の精神世界は、いまなお謎多き世界です。
人間の精神構造が、意識と無意識の層に分けられるとするならば、その謎の中核は、無意識の層にあるということになります。
意識が「自分の中の自分」であるなら、無意識は、「自分の中の他者」。
この自分の中の他者との対話が、今回のテーマです。

藤田
確かに普通にたんたんと生活していると、あまり自分に対峙することはないですよね、テーマとして奥が深そう!
もともとそういった「無意識」という世界とかに興味はあったのですか?


大谷
4年前に制作した作品「眼のある風景」で、初めてこの無意識をテーマにした作品を制作し、「このテーマをもっと掘下げていかなくては」と思っていたのですが、私自身にも、この「眼のある風景」という作品が、未知なるところが多い作品でしたので、以後、このテーマになかなか手をつけられずにいました。
今回、このテーマにトライしようと思ったのは、これまでの私の作品に共通するテーマである創造や対話を追究するうえで、この無意識というものを避けては通れないと考えたからです。

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大谷有花(おおたに・ゆうか)

1977年 神奈川県相模原市に生まれる。多摩美術大学(美術学部絵画学科油画専攻)を卒業後、同校大学院(美術研究科絵画専攻)に入学。2003年 同大学院を修了する。

1998年頃より、自己の過去の記憶に基づくインスタレション作品を発表。その後、作品と空間との関係を見つめる中で「空間」そのものを絵画として表現する「キミドリの部屋」シリーズ等の平面作品の制作をはじめる。

彼女の作品は、「日常」、「創造」、「記憶」、「空間」などをテーマとしている。清明な色彩と、ときにユニークでかわいい動物たちも登場する画面は、不思議な魅力に満ちている。
2001年 「第6回 昭和シェル石油現代美術賞」に入賞、 2003年 「VOCA 2003」(上野の森美術館)VOCA奨励賞を受賞。同年、「NICAF Tokyo」(東京国際フォーラム)に出品、 府中市美術館(東京)では「公開制作」を行う。2004年 群馬県立近代美術館での「日常の変貌」展、多摩美術大学美術館での「四批評の交差−いま、現代美術を問う」展、韓国国際アートフェア(KIAF)での「日本現代美術特別展」に出品するなど、 精力的に制作・作品発表を続けている。大谷有花は、現在、最も注目を集める新進アーティストのひとりである。


1977   神奈川県相模原市に生まれる
2001   多摩美術大学(美術学部絵画学科油画専攻) 卒業
2003   多摩美術大学大学院(美術研究科絵画専攻) 修了

主な個展
2001   ギャラリー手 (東京)
2002   カサハラ画廊 (東京)
2003   府中市美術館 / 市民ギャラリー (東京)  * 「公開制作 17」の関連企画
2004   GALLERY MoMo (東京)
ギャラリーほそかわ (大阪)

主なグループ展
2001   「第6回 昭和シェル石油現代美術賞展」 目黒区美術館区民ギャラリー (東京)
* 本江邦夫審査員賞 受賞 (受賞作品 「眼のある風景」)
「eyes」 多摩美術大学・絵画棟ホール (東京)
2003   VOCA 2003」 上野の森美術館 (東京)
* VOCA奨励賞 受賞 (受賞作品 「キミドリの部屋」)
「FIELD OF NOW / 形象改革」 洋協アートホール (東京)
NICAF 2003 Tokyo」 東京国際フォーラム (東京)
2004   日常の変貌」 群馬県立近代美術館 (群馬)
四批評の交差−いま、現代美術を問う」 多摩美術大学美術館 (東京)

現代美術50年!戦後前衛 vs 21世紀アーティスト」 不忍画廊 (東京)
日本現代美術特別展」 KIAF 2004 韓国国際アートフェア (韓国・ソウル)
Bunkamura Art Show 2004 LANDING」 Bunkamura Gallery (東京)
VOCA 1994 - 2003 10年の受賞作品展」 大原美術館 (倉敷)
2005   「第一生命ギャラリー所蔵作品展」 第一生命ギャラリー (東京)

大谷有花 アートテラスより

<今後の大谷有花さんの活動予定>

Yuka Ohtani - Mindscape -
大谷有花 展 - マインドスケープ - 「無意識」との対話から


2005年 5月10日(火) - 6月11日(土)
11:00 am - 7:00 pm (最終日は、5:00 pm)
日・月曜・祝祭日 休み
オープニング・レセプション : 5月10日(火) 5:00 pm 〜

GALLERY MoMo
〒 106-0032 東京都港区六本木 6-2-6 サンビル第3 ・ 2階
(日比谷線・六本木駅 1b 出口より徒歩すぐ / 大江戸線・六本木駅 5番 出口より徒歩3分 / 麻布警察署 うら)
tel : 03-3405-4339 / e-mail : gallerymomo@ybb.ne.jp


「陶芸作家たちとのコラボレーション展(仮称)」
工房IKUKO(岡山・倉敷)
7/23(土)〜8/7(日) 

「ふなばし現代美術交流展05」
船橋市民ギャラリー(千葉・船橋)
8/17(水)〜28(日)

個展
第一生命ギャラリー(東京・有楽町)
10/4(火)〜11/4(金)

今春発売の単行本のカバー装丁画を手掛けました。
短編小説集 「さようなら、コタツ」 中島京子・著 (マガジンハウス・刊) 
2005年 5月19日 発売予定
(装丁画:最初の家族

小説 「桜の色」 乙部信吾・著 (日本文学館・刊) 
2005年 6月1日 発売予定
(装丁画:ウサギねずみの対話 Ver.29(表紙)・想花(裏表紙))


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