「他者との関りで、開花・結実を繰り返す、
心の庭があると信じています」
小林重予さんは、植物の神秘的な営みに触発され制作をされています。
内部にエレルギーを宿したように感じられる作品は、よく「蠱惑的」と評されますが、日ごろ、他者とのかかわることで生まれてきたご自身の心の動きや、芽生えた想いの「しるし」です。
さて、今度の作品は、私たちの心の庭にどんな種を残してくれるのでしょう。
INTERVIEWER 友利香
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友利
小林さん、こんにちは。
外からのぞいた時、「あ、小林さんの作品だ!」ってすぐにわかりましたよ!
小林
え?わかった?・・あ、ホント、すぐ、わかるよね!(爆笑)
友利
小林さんは、ピーラーでは、初めての北海道在住作家さんなんです。
都現美とかに、小林さんの絵葉書がありましたっけ?
まあ、まずは自己紹介からお願いしましょうか。
小林
ハイ。札幌出身の小林重予(こばやししげよ)です。
金属工芸の出身ですが、インドネシアに留学し木彫を学びました。
国内外で個展を開催しています。
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野外作品は越後妻有アートトリエンナーレ2000に参加後地域の特色を生かした公共作品制作をしています。「想いの種」という物語を造形するワークショップを全国で開催。
2002年より現在も日記画を毎日制作しています。他に舞台装置、写真、挿画などの仕事もしています。
友利
このアートスペース貘は、福岡の実力あるアーティストが揃う画廊と聞いていますが、 小林さんははるばる札幌から・・ですね。
小林
私は札幌で個展を開催していた船橋の版画家(今回出品)と知り合い、彼女の紹介で画廊の小田律子さんに出会いました。
93年に個展を企画してもらってから、ずっと見守ってもらっています。
多分小田さんの励ましが無ければ、実行できなかった事も多く有ったと思います。
友利
そして、今回の作品は「錯覚を正すことで解明する」・・?
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1.2)「錯覚を正すことで解明する」作品下部裏側は黒っぽく彩色され
3)「ホントはね、金色部分は作品の蓋の裏なの」
4)「続・夢のつづき」岡田哲也著 南日本新聞社発行/小林作品が表紙に |
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小林
ええ、『錯覚』はとても大事なことだと思うのね。
思い違いだったり、空耳だったり、確かにないのに、あったように思ったりすることを『錯覚』と言ったりするんだけど。。
『空耳』とか、その人にとっては、すごく本当のことだったり、とっても印象が確かだったりする気がするの。。私は。
始めに深い根拠だと感じた部分を信じてゆきたいと思うの。
これはね、今はこうやってひっくり返して見せているんですけど、本当はこういう形なの。
(写真3)
土台の裏は、こんな色で、香りが立ち上がるの。
友利
あ〜〜〜いい匂い〜vv
小林
北海道で桜より早く一番に春を告げる「北辛夷」マグノリアという花の香りがベースです。香りのデザイナーに作品イメージで香りを作っていただいたの。
息を吹きかけると動くものや、小さな金属の螺旋やら、見ようとしなければ見落としそうな細部や裏側などに手が込んじゃう。内側の装飾は、きっと外側にも影響してくれると思っていて、私は時々見えない部分の装飾に時間をかけちゃうのよね。公共作品の時などは中の構造体にお守りのようにオブジェを貼り付けたり、土に埋まる部分に色タイルを張ってみたりするの。箔を貼るときや着彩の時も、下地の色を赤や青、時には黒と変えてみると、違って見えるのよ私には。。。
インドで、変哲の無い小石の中から好きなものを選べといわれ、選んだとたんインド人が目の前で割ったの、それが胡桃みたいに、ぱっかり割れて中が水晶だったのよ!!その経験が強烈で表皮からは解らない内側、人間も同じだなと思ってそんな作品を作りたかった。
友利
あはは!いきなり、石を目の前で割るって面白い!
小林さんって、「変わった人とか、モノとかに出会う星人」みたい。楽しいことだらけ!(笑)
昨年は、どちらへ行かれましたか。
小林
1月〜2月インドネシア ジョグジャカルタで個展をしました。秋には台湾へ。
国内は、静岡。東京。新潟。宇部。福岡。仙台。倉敷。。。かな。。
今年も福岡での展示のついでに、有田で陶磁器体験させてもらい、鹿児島では大好きな詩人岡田哲也さんに会い、出水の鶴を見て、おいしい豚足食べました。さらに桜島で親友との再会。桜島のクローバーが手のひらサイズで驚きましたよ。このサイズの四葉のクローバーだったら願いがすぐに叶と思い探しました!
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