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青森県立美術館立ち上げ日記 



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6月1日(木) 軽いお仕事、東京のお仕事
最近、心に決めた方針にしたがい、美術館業務は軽く流す。
実は、この「軽く流す」ことの裏には、もう、これまでさんざんヒドいめにあわされてきた青森県公認の「不条理」が関係しているんだよね。
まあ、東京仕事が忙しいぶんだけ、のんびりとさせてもらっているし、そのぶん、カラダはラクなんだけど、まわりは本当に忙しそうだなあ、と、ちょっと罪悪感を感じる今日このごろ。
でも、ホント、オレが悪いんじゃないんだよね、職場のみんなは気がついていないけど。
夜6時前に美術館を出て、Eさんの車で青森駅の近くまでのせてもらい、最近、再び肩がおかしいのでマッサージ屋さんへ。肩・首20分コース、1500円をしてもらい、ドットちゃんでKK社仕事。
9時にドットちゃんを追い出され、家に戻ってひき続きKK社仕事。
11時終了し、ミートソース・ビーフンをつくって、春巻きをあげて、焼酎で食すが、ちょっと食べ過ぎてお腹がぽんぽんにふくれてしまった。
6月2日(金) 死人のお仕事
今日も美術館業務は軽く流す。
がっ!
とうとう、某上司が、オレが最近、ほとんど仕事らしい仕事をしていないことに気がついて、印刷物作成の命令を下してきた。いちおう「いいですよ」と言ったのではあるが、予算は不透明で、作成コンセプト、およびターゲットも不明瞭。
同僚に相談すると、「あんまり、考えないほうがいいよ」とのこと。
「それじゃあ、考えないことにするか」とハラを決め、終業時間も来たことだし、今日も早く帰ろうか、と思ったが、いつも青森市街まで車で送ってくれるSさんもEさんも今日はお休み。
で、あるならば、学芸員のIさんを頼って、どうにか帰ろうとしたのだが、今日の夜9時すぎから、美術館の目玉展示物が搬入、マスコミ取材があるとのことで、Iさんの仕事終了を待ちながら、こっそりとKK社仕事、AA社原稿執筆仕事をやることに。
おかげでKK社仕事はフィニッシュしましたとさ。
で、ふとみると、某実行委員会事務局員のおねえちゃんが、ある媒体のデザインをやらされていて、悶々と苦しんでいる。このデザイン仕事、本来は、このおねえちゃんがやるべき仕事ではないのだが、サービス残業をえんえんとやっているのだ。
「これ、ターゲットは誰?」と聞くと、
「担当が何も言ってくれないんですよ」。
「露出期間は?」と聞くと、
「それさえ言ってくれないんですよ」とのこと。
「じゃあ、考えないほうがいいよ」。
……「考えないこと」――この職場で生き抜くための鉄則かもしれんね。
いや、でも「考えない」んだから、死んでしまうということか?
で、あれば、美術館は死人の集まりか?
でも、なんだかおもしろそうだね、死人の集まる美術館って!
ルンルン!
そんなこんなで、Iさんの仕事は11時30分に、ようやく終了。
どうにか12時に家までたどり着き、晩ごはんに、レバニラ炒めをつくって、焼酎を飲んで寝た。
6月3日(土) 休日の考えるお仕事
お昼ちょっと前に起き、トースト+ゆでタマゴ。
その後は、えんえんA社原稿執筆仕事。
今回は、かなり難問で、なかなかペースにのれず、悶々と考える。
夕刻、小一時間ほどお買い物にいって、キャベツ、お肉等々を購入。
家にもどってひきつづきA社仕事。
どうにかして、今日一日で終わらせたかったが、終わらず、12時ちょっと前に仕事を切りあげ、ホイコウロウをつくって焼酎。
日々の鬱憤がたまっているせいか、ついつい深酒して朝の4時、ぼろぼろになって就寝。
6月4日(日) 休日にひたすらお仕事
12時に起きる。パスタをゆでて、即席のペペロンチーノソースをかけて食べる。
昨年秋、映画本編集協力したKD社の方より電話あり。
なんでも、その映画本がらみの特集上映会開催が決定したらしい。すんばらしい!
その後はもちろんA社仕事。黙々と原稿を書く。
夕刻くらいに終わる目処がつき始め、ひと息つく代わりに、洗濯。
A社仕事はどうにか午後9時に終了。
野菜炒めをつくって食べていると、とある居酒屋さんで飲んでいる恩人から電話。それがきっかけで、恩人と同席している岩手の某テレビ局のアナウンサーの人と話したのだが、この方が高校の2つ上の先輩だとわかり、少しばかりたのしい思い出話をさせてもらう。立川高校万歳!
深夜、腹痛が発生。たぶん原因は疲れ……どうにかして寝る。
6月5日(月) 追加のお仕事
朝起きると胃が痛く、起きれない。
ということで午前休をとることに。
午後出勤。例によって仕事は軽く流す。
A社より連絡あり。な、なんと追加原稿が発注される。
ふう〜。
6時前に退館。床屋へいって例によって頭をボウズ刈りにし、マッサージ屋さんへ行って、肩をもんでもらい、そのあと図書館でA社仕事の調べもの。
夜9時半、帰青したちなつさんより電話。近所のいい感じのジャズを流すお店に連れて行ってもらい、軽くアルコールで談笑。
鈴木清順とかボネガットの話とか、ひさびさにいい会話ができました。
やっぱ、人生のしあわせは、おいしいお酒といい会話。これに映画とかダンスとかがあったら、もう言うことなしよね。
6月6日(火) 調べ物仕事
例によって仕事は軽く流す。
お昼ごはんはホカ弁、のり玉弁当330円。
午後も仕事は軽く流すが、それでも退館は夜8時と今日はちょっと遅め。
Sさんの車で図書館まで送ってもらい、A社仕事の調べ物。
帰宅すると、KK社より再校ゲラ到着。
ちょっと、気が重くなってきて冷凍食品のオンパレード+ワインの手抜きの食事。
6月7日(水) 密かなお仕事
午前中、例によって仕事は軽く流す。
A社より出稿スケジュールの連絡、あり。
かなり、明日からキツくなりそうな気配。
さて本日のお昼ごはんなのですが、今日は、職場のNMKMちゃんのお誕生日なので、お昼はSさんもさそって、オレのオゴリであの「津軽の味」へ。
カツカレー(中華スープつき)+目玉焼きつきカレー(中華スープつき)+カツ丼弁当(中華スープつき)+鶏の唐揚げ4個+パリパリフランクと、たのんで、3人分、な、なんと1,000円ポッキリ!
午後も例によって仕事を軽く流す。
美術館就業時間のあとは、職場のかたすみで密かにA社仕事。
たまたまNMKMちゃんと、帰り時間が同じになったので、さすがにお誕生日プレゼント1,000円のお昼ごはんではシメシがつかんだろうと、お寿司屋さんへ。再度、おめでとうの食事会。いろいろとおもしろい話を聞かせてもらったりする。
その後、NMKMちゃん、家で旦那さんとケーキでお祝いしないといけないので、11時におひらき。
6月8日(木) 東京仕事リターンズ
例によって、仕事は軽く流し、A社仕事、KK社仕事の進行プランをぼ〜っと考えながら、材料をそれとなく集める。
お昼は、のり玉弁当330円。
終業後、Eさんの車で青森市街へ。デパ地下で買い物をして、ドットちゃんで、KK社仕事。
ドットちゃんを9時に追い出され、ひき続き家でKK社仕事。
夜11時、野菜いためと冷や奴を肴に焼酎をガブ飲み。コトンと寝る。
6月9日(金) 肉体のお仕事
午前中いっぱい、美術館補修工事の準備のため物品移動の肉体労働。
肉体労働後のタバコはうまい!
お昼は、唐揚げ丼330円。
午後は、例によって軽く仕事を流し、A社やKK社からの連絡などを受けながら、それとなく材料集め。
夜7時に退館。Eさんの車で青森市街に降りて、ドットちゃんへ。
A社もKK社も締め切りは来週月曜日。けれども明日、明後日と用事があるので、できるだけ仕事を進めないといかん。
9時、ドットちゃんを追い出され、家に戻って、ひき続き仕事。
深夜12時くらいに目処がついたので、冷凍ハンバーグを温めて、ワインで食して寝る。
6月10日(土) 仕事の商店1
朝8時起床。
まず、KK社仕事をフィニッシュし、トースト+ゆで卵。
その後、A社仕事。
午後1時より、某ワークショップに参加。すんごくおもしろくて、ためになる。
(その内容、書きたいんだけど、いろいろ青森特有の閉鎖的事情があってここには書けないンダヨネエ)
ワークショップ参加者に某県立美術館の人が参加していて、
「青森県立美術館の噂、聞きます?」と聞いたら、
「なにやら、ウチの学芸員が、どんどん、泥沼にはまっていると言ってましたね」とのこと。
たしかに真実ではあるが、外の人から言われるとちょっとショックだわね。
ワークショップ終了後、帰宅したのち、A社仕事を再会し、9時にフィニッシュ。
その後、近所の飲み屋さんでワークショップ関係者の飲み会をやっていると聞いて、参加させてもらい、たのしいお話+おいしい酒&肴。
健全に夜11時におひらき。


6月11日(日) 仕事の商店2
朝10時よりワークショップ2日目。
昨日が「講義編」であれば今日は「実践編」で、肉体労働の一日となる。
これが結構、むずかしい肉体労働で、1ミリの誤差を許さない、超ハードな「検品」を受けるのだ。
おかげで、チームを組んでいた女子高生のおねえちゃんたちと仲良くなり、メール&携帯アドレス交換。
聞くとおねえちゃんたち、まだ15歳。
去年まで中学生で、オレとの年齢差、24歳…。
ちょっと背徳のうしろめたさ、あり…。
終了後、harappaの大瀬さん(仮名)から相談を受けて、モスバーガーでお話し会。
その後、ワークショップ関係者と合流し、屋台村でみそおでん+馬刺し+ビール。
10時過ぎに健全におひらき。
帰宅後、A社から電話。「周恩来の注釈を書いてくれ」との依頼。
これが最後の原稿になることをひたすら祈るばかり。
6月12日(月) 東京仕事終了
朝起きると、昨日の肉体労働がひびいて、太ももの筋肉が痛い。
歳ですなあ。
さて、本日KK社、A社編集仕事締め切り日でありますが、数回のメールと電話のやりとり等で、無事、終了いたしました!
特にA社仕事に関しては、今回、変なことが起きたこともあり、約2ヶ月間の持久戦。
ようやく解放された気分なので、美術館仕事が終わったあと、すぐにいつものマッサージ屋さんへ行き、全身1時間3,500円コース。
ここのところ、またもや左肩イタイタシンドロームに襲われていたので、すんごく楽になりました。道をあるいても、憑きものがとれたみたいに体が軽い。
さて、そのあとは、いつもであれば、ドットちゃんへ入って編集仕事、となるわけだが、今日はそれもない。
ということで、デパ地下でニラとキノコとお豆腐を買って、家で韓国風スキヤキをつくる。
冷凍した安くて堅いOGビーフをレンジでチーンして、ごま油でいためて、酒を振ったところで携帯に着信が。
みなさんもごぞんじの女性美術ライターからで、美術館のオープニングの問い合わせだったのだが、オレはほとんど冗談のような話ばかりして、どうやら呆れられた模様。
がっ!
冗談のように聞こえる話が、コレ、ホントにホントなのだよ、実は。
どうだ、ちさいちゃん、凄いだろ? これが青森県立美術館だぜっ!
その後、スキヤキは順調にできてゆき、デパ地下で買ったカニクリームコロッケをつけたして、安焼酎で食して寝る。
6月13日(火) 財源不明の残業代なんて
例によって、美術館仕事は軽く流す。
お昼ごはんは工藤パンの調理パン2つで280円。
午後も軽く流す。
何か、オレにも残業代を出すという話が上のほうから出たそうで、まあ、うれしいことにはうれしいのだが、財源を確認したら、やばそうなので手を出すのは控えようと思う。
美術館へ出て、青森市街に向かう途中、数ヶ月前まで一緒だった女性職員Tさんとバッタリ。
竹中ナオト主演の「痴漢電車 下着検札」のビデオを渡す約束をする。
その後、県庁のYさんと居酒屋で県庁+美術館ばなしをしながら、お酒+肴。
いろいろと美術館の話をしたのだが、Yさん、目がテン……。
例の「不条理」をめぐる美術館機構というのは、青森県庁のなかでも、実は許されるものではないそうだ。
まあ、いろいろと話がはずんで、結局、12時前にオヒラキ。
6月14日(水) 仕事の依頼
いつものように美術館仕事は軽く流す。
お昼ごはんはホカ弁の焼き肉丼(キムチトッピングつき)期間限定330円。
どうやら学芸員さんたちは、あの「津軽の味」に行ったそうで、みんな、感動して帰ってきてくれた。
やはり「津軽の味」はすばらしいと確信!
午後も仕事は軽〜〜く流す。
夜7時、ドットちゃんに。
青森の編集者Kさんと会合、東京のA社の仕事を依頼する。
初めてお会いしたが、ちょっと職人気質=プロ気質がある人のようで、期待できそうで安心する。
やはり、「ちゃんとした、丁寧な仕事をする」――これが「プロ」の要件よね。
帰宅後、ツナ缶のもやしチャンチャン焼きをつくって、焼酎をあおって寝ようとしたら、ワダちゃんから電話。ワダちゃんによると、どうやら某映画配給会社がつぶれたようで、好きな映画を配給してくれていた会社だけに心中複雑。
でも、今、ワダちゃんは、キム・ギヨンやダグラス・サークなんかの上映会を根気よく続けていて、それがじょじょに軌道に乗り始めているようで、うれしい。
これからはアホな配給会社よりは、ワダちゃんの映画への良心=愛と活躍に期待しようと思う。
6月15日(木) よくわからん仕事
いつものように美術館仕事は軽く流す。
何か、美術館宣伝用のラッピングバスの仕切りの仕事が入ってきたが、これも軽く流すことになるだろうし、ちょっと前に入ってきた美術館宣伝用印刷物作成の仕事も、軽く流して、何はともなく終わらせた。
お昼ごはんは、昨日につづいてホカ弁の焼き肉丼(キムチトッピングつき)。
やはり貧乏人は「期間限定」という言葉に弱いものなのです。
午後も軽く流して終業務時間を迎える。
雨が降っていたので、Eさんの車で直接自宅まで送ってもらい、「NY式ハッピーセラピー」をDVDで見る。
悪くはないのだがストーリーテリング演出に難があるのかなあ、キレがなく少しタルかった。
明日は映画館に映画を見にいこう!
その後、キンメを焼いて、にら炒めをつくって、安焼酎。
ひさびさに、健全に12時前に寝る
6月16日(金) 映画はオレの仕事だぜ1
今日も美術館仕事は軽〜〜〜く流す。
お昼、学芸員のみなさんと一緒に「津軽の味」。
いやあ、もうハマってしまいますよ、ここは。
オレはまだ食べていないが「幻のシナソバ」450円は、なかなかいけるらしい。
帰りがけ、Mちゃんたちの封筒発送仕事のお手伝いをして、Eさんの車で青森市街へ送ってもらい、シネマディクトで「立喰師列伝」。
やりたいことはわかるし、ある程度、成功しているのはわかるんだけど、映画としてはどうなんだろう? ところどころ、おもしろいところもあるんだけど。
家に帰って、肉じゃがをつくっていたら、恩師よりお酒のお誘いの電話。
そういうことで近所の居酒屋で、みなさまとたのしくすごして夜の2時、でした。
6月17日(土) 映画はオレの仕事だぜ2
お昼前に起きて、トースト。
その後、ウダウダと部屋の掃除とか洗濯をして、お風呂に入って、シネマディクト。
クローネンバーグの「ヒストリー・オブ・バイオレンス」を見る。
クローネンバーグ、健在ですね。
この監督は、作品のテーマだとか、作家性がいろいろと言われているけれど、一番の特色は、「男優の顔」の撮り方じゃないんだろうか? ヴィゴ・モーテンセンがなかなか、いいです。
階段でのF@#Kシーンもなかなかクローネンバーグしていました。
家に帰ってから、昨日、つくりかけていた肉じゃがを完成し、オクラを添えて、安焼酎をガブガブ。12時に寝床にゴロン。
6月18日(金) 映画はオレの仕事だぜ3
10時くらいに起きて、トースト。
昨日の部屋掃除の続きをして、2時、シネマディクト。
スパイク・リーの「インサイド・マン」を見る。
巷では「完全犯罪」ウンタラカンタラの宣伝文句にだまされたとかで不評のようだが、スパイク・リーの「NYスモールタウンもの」番外編として見れば、結構、よくできている。町角の捕らえ方などはホントうまいし、「空気」が画面に出ている。
次にトミー・リー・ジョーンズ監督・主演の「メルキアデス・エストラーダの3度目の埋葬」。
予告編を見てかなり期待していたのだが、半分、期待にこたえてもらい、半分、裏切られた。
よくはわからんが、ハーバード大学出のトミー先生には南米文学趣味があるのだろうか? なんか、そのあたりがうるさいんだよね。
後半くらいから、ノレるんだけど。
見終わって、3月まで同じ職場の予算担当だったTさんとバッタリ。
その後、2人で焼き肉や「新世界」(おいしいです、ここ)へ行き、ホルモンをたらふく食べながら、映画の話、美術館の話をしてテレビでワールドカップを見て、12時に帰宅。
あ〜〜あ、また明日から美術館仕事かあ。
ふう……。

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