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青森県立美術館立ち上げ日記 



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5月16日(火) おとうふの日
昨日東京から戻ってきての美術館お仕事なので、一日、軽く業務。
終業時間後ではあるが、早めに仕事を切りあげて、某人の車で美術館仕事の話をしながら豆腐屋さんへ行き、おいしい野菜揚げ豆腐など購入。
帰宅後、ひとり日本酒で食して、寝る。
5月17日(水) 賞味期限きれ寸前のタマゴの日
朝、青森銀行に寄って支払い業務。
次に県庁内の文化振興グループに寄り、Oさんにご挨拶。
もし、この方が今の美術館職場に来ていてくれたら、かなりいい方向に向かっていたであろうという見解は、オレだけでなく、あまたの他の職員のものでもある。
他の人と違って、この人には民間会社でも通用する力があり、まことに残念であります。
お昼は工藤パンの調理パン2つで320円。
その後、軽く業務し、サービス残業などせず、さっさと職場を切りあげて、帰宅。
卵の賞味期限が明日までだったので、今日の夕ごはんは、とり肉のたまごとじと日本酒。
5月18日(木) 奇妙なお仕事
今日も美術館では軽く業務をしようと思ったのだが、突然、奇妙な話が発生……。
あまりにも奇妙な話で、本来シンプルなもののはずなのに、「♪ネジレテネジレテ、キャッキュッキョ」なものにしようという話なのだが、なぜ、そんなことをしないといけないのかと、これまでの経緯と頭の中にあるもろもろのデータをもとに、論理的に解析してみると、
「あ〜〜〜〜〜、これ、やばいんじゃないの?
 ●がほしいのはわかるけどさあ、ちょっと度がすぎてるんじゃないの。」
 と、●の中には、シンプルな漢字一文字が入るわけなのだが、結局、●の話なのだ。
もう、いいかげん、危ない話はコリゴリです、わたくし。
お昼は、今、ホカ弁で期間限定で値下げしているマーボー丼エビ春巻きつきで320円。
午後は、奇妙な話に関する奇妙なお仕事をやらなくてはならんかった。
ふう。
夜、harappaの大瀬さん(仮名)と飲み、いろいろとダンス話。
某夫妻にもお越しいただき、今の職場ではほとんどありえない生産的な話をする。
しかしながら、この某夫妻は、ホント、凄い。いつも頭が下がる思いがいたします。
5月19日(金) 弘前のお仕事
昨日の奇妙な話を忘れたく、午前は軽る〜〜〜く業務。
お昼は昨日にひき続き、マーボー丼エビ春巻きつき、320円。
午後はSさんと一緒に、弘前へ。某業務で立木兄貴に会いに行く。
兄貴、伏魔殿の変なつきものが離れたみたいで、何か軽くなった感じでさわやかだ。
業務終了後は、某所で某人たちと接触。
午前2時くらいに帰宅して寝る。
5月20日(土) 「いつものはなし」なお仕事
朝、9時くらいに起き、チーズトースト。
洗濯と軽い掃除。そして入浴。
昨日から、例によって左肩が痛みだしたので、マッサージに行く。
マッサージのオバハンが、いくつかツボを触診。
「目が相当、やられてますね」と言われる。
その後、美術館へ出勤。
まずは、来館した三上さんに成瀬巳喜男のDVDを渡し、夜7時からのベートーヴェンのピアノコンサートの準備に入る。
受け入れ態勢では、オレはマスコミ受付担当だったのだが、実際、スタートしてみると、いつのまにか変なことに。
まあ、いつもの話ではあるのだが…。
コンサートは夜9時過ぎに終了。
某人の車に乗せてもらい、受け入れ体制が「変なこと」になった原因を分析する。
夜、遅かったので、こないだ東京に帰ったときにおふくろからもらった冷凍ハンバーグを食して、ワインを飲んで寝る。
5月21日(日) 鼻歌ぷらぷらのお仕事
今日は午後2時から美術館で演劇イベントのオーディション、ということで出勤。
オレは駐車場案内係で、1時間、道に突っ立って、鼻歌をうたいながらプラプラし、オーディション開催中はオフィスであれこれと仕事。ついでにぴ〜ら〜の仕事もしてしまった。
4時に終了したので、出勤していた学芸員のIさんと一緒にSさんの車に乗せてもらって、駅前の図書館へ。Iさんは調べ物で、オレはA社の編集仕事の資料をさがしてコピーとり。図書館の受付にN君がいる。「おひさしぶり〜、今度一緒に飲みませう、オレ、さびしいんだよ」と挨拶を交わす。
その後、デパ地下で大量の食料のお買い物。
家に帰って、ビデオで香港映画「城市特警」を再見。
やはり、これは香港アクション映画の傑作だなあと思ったが、実は監督の名前を忘れていて、誰だっけなあと思ってクレジットを見たら、なんとジョニー・トーだった!
その後、冬のあいだ、高くて買えなかったキャベツをひさびさに購入したので、ホイコ〜ロ〜をつくって、ポテトサラダ。ついでに、豚モツ煮込みの仕込みもして、ワインで食して、フロに入って寝る。
5月22日(月) 舞台撤収のお仕事

午前中は、ベートーヴェンのピアノコンサートの客席、舞台撤収作業。
このコンサート、これから月に1回開催されます。
肉体労働のあと、ホカ弁のから揚げ丼350円。
その後、軽く業務し、早めに仕事を切り上げ帰宅。
2日連続香港映画鑑賞ということで、イー・トンシン監督「ワンナイト イン モンコック」を見る。
ダニエル・ウー、ほんと、いい役者になったなあ、と思う。
晩ごはんは、アジのヒラキとお豆腐。それにマイタケをオイスターソースで炒めたものを付け足して、日本酒で食していたところ、突然、東京の某人から電話。
先週の「奇妙なお仕事」の件で、苦情を呈される。
いつかはこうなるだろうと予想はしていたが、あまりかかわりたくないので、軽く弁解するのみ。
これも、それもすべては「不条理」によるのだから、たまらない。
5月23日(火) 不快なお仕事

朝、美術館に出ると、どうやら、昨晩の東京電話の件がらみで、当事者たちにも事態がさしせまったらしい、なにやらうごめいている模様。
ついでに、その件でオレにも声がかけられたが、言われたことだけはキチンとやって軽く受け流す。
お昼、掃除のおばさんがつくってくれた竹の子とお豆腐と豚肉の煮物をもらって、のり玉弁当。うまい! おばちゃん、どうもありがとう。
と、気分は少しよくなったのだが、午後になっても午前の仕事の余韻はおさまらず、苦々しい時間が続くので、おもいっきり定時5時15分に退館。
それに今日はA社からゲラが届くので、早速、チェックを入れなければならないのだ。
家に着くと、某宅急便屋の不在票が入っていたので、すぐに電話したところ、8時までに届くとのこと。
そこで日曜日から仕込んでおいたモツ煮込みを食し、酒も飲まずに、ゲラ到着にそなえ待機していたが、8時になっても来ない、9時になっても来ない。
宅急便屋に電話をしたら、「すみません、忘れてました」とは言わないが、それに近い主旨のことを言われ、プッツン。
結局、ゲラは夜11時近くに届き、もう何もやる気がなくなり、酒をがぼがぼ飲んだ。
そのあとのことは覚えていない。
5月24日(水) 書けないお仕事

すみません、日記にも書けない日もあります。
本日の日中のできごとについては、かんべんしてください(笑)。
で、夜のできごとですけど、某出版社から電話。先月から続いている「悩み」について、新たな事態が発生したらしく、ついては、原稿チェック+原稿執筆の援護射撃要請がかかる。
明日からは、ちょっとタイヘンかもしれん。
5月25日(木) しりふきのお仕事

今日は朝から、昨年に美術館で開催された某イベントの決算作業。
担当はオレではないのだが、まあ、どこの職場でもそうだが、変な仕事の後始末は、職場の一番弱いところ――つまりは、非正規職員=オレのところに来る。
まあ、これまでも「不条理」のケツは何回もふかされているし、まあ、青森県にもいろいろと事情もあるので、この件に関しては、キチンと仕事をしてあげることにする。
お昼は、のり玉弁当330円。
午後、肩が痛み出し、頭に響き始めたが、運良くムナカタシコウ記念館の方に凄腕のマッサージをしてもらい、すこし楽に。
夕刻、決算仕事はひととおり、できるところまでは終わらせたので、終業時間後は、こっそりと編集仕事。
夜9時すぎに帰宅。
冷凍しておいた鶏肉のササミフライに春巻き+キャベツの千切り。それと、モツがなくなった煮込み=とん汁を食べて、お酒を飲んで寝る。


5月26日(金) 気の入らんお仕事
ダンス仕事の決算関係の仕事をする。
もう、とっくに決算できる体制は整えているのだが、官庁では、予算は0――つまりは、赤字でも黒字でもない状態に持っていかなければならず、予算が余ったとか、お金がもうかったとかしたならば、無理にでも使って0にしないといけないらしい。
こういう仕事は、どことなく気が入らんもんですなあ。
夜、シネマディクトでヴェンダースの「アメリカ 家族のいる風景」。
巷では、この作品に関して「ヴェンダース復活」と言われているらしいが、「復活」という言葉は正しくない。「復活」でもなく「進歩」でもなく「成熟」でもなく……つまりは、映画にしか起こりえない事態が、この映画では起こっていて、見ていて泣いた。
10時過ぎに帰宅。あまり手の込んだ料理はできないので、冷凍ハンバーグ。
映画の余韻にひたって酒を飲んでいたら、ついつい夜更かししてしまい、朝の4時に寝る。
5月27日(土) 説明会と休日のお仕事
11時起床。
朝昼兼用食事はレトルトソースを使ったパスタ。
午後、今年の空間実験室の出だしの一発である「参加説明会」に。
行く前は、もう空間実験室のことはたいがい知っているし、行こうかどうかと迷ったのだが、来て大正解!
ゲストアーティストで来る予定のKOSUGE1-16とか、ROGUES GALLERYのおもろいプロモDVDを見せてくれたり、KOSUGE1-16のおにいさん、おねえさんも青森に下見に来ていたのだけれども、すんごくいい人たちだった。
説明会のあとは、みんなで空間実験室の周りのお店を探索したのだが、思わぬお店に思わぬCDとか本があったり、お好み焼き屋さんでフキミソを200円で売っていたりして、たのしうございました。
がっ!
オレには編集仕事もある……
ということで、たのしいひとときを切り上げたあとは、ドットちゃん(ドトール)で仕事して、デパ地下で挽肉を買ったあと、喫茶店Kで、仕事の続き。
夜9時頃、喫茶店Kを追い出されて帰ろうと思ったら、道で空間スタッフ+KOSUGE1-16とバッタリ再会。お酒に誘ってくれたので、一緒につれていってもらい、たのしいお話をさせてもらいました。
12時くらいに帰宅。
その後、クゼに電話して「アメリカ 家族のいる風景」を見たと話したら、「いいでしょ?」と来たもんだから、素直に「よかったよ」と言ったら、「ヴェンダースが復活したというか……う〜ん、復活というか、復活というんじゃないよなあ、アレは」という。
どうやら、クゼもオレと同じものを見たらしい。
5月28日(日) ブラバンと休日のお仕事
朝起きたら11時だった。
トースト+ゆで卵ののち、シャワーして、某文化ホールにて、ブラスバンド鑑賞。
その後、大雨の中、帰り道にみつけたスーパーで、豚肉のこまぎれ、レバー、ニラ、レタス、しめじ、グレープフルーツジュース、食パンのお買い物。安いので、ちょっと買いすぎてしまった。
のち、ホテル青森の喫茶店によって、コーヒー+アップルパイしながら編集仕事。じっくりとやって、気がついたら夜の7時すぎ。
家に帰って、すき焼き+ポテトサラダ。
テレビで「カンフー・ハッスル」をやっていたので、それを見ながらお酒を飲んで、食べて寝る。
5月29日(月) 祝カレー伝説!!!
午前中、美術品の搬入仕事で発生した段ボールゴミ処理のお手伝い。
今日はSさんと一緒に、お昼前に美術館を出て、某イベントの決算処理の打ち合わせ会場に行くことになっていたのだが、その前に、県営競技場入り口にある「津軽の味 食堂部」でお昼ごはんをすることに。
このお店がすばらしかった!
60年の歴史と伝統をもつ、すんげえ食堂で、これまで、県営競技場にやってきた、あまたの青森県の小・中・高校生やチビッコたちの胃袋をささえてきた。
その自負があるのだろうか、店内に入ると「当店は、スポーツ選手の体のことを考え、添加物、保存料、アルコールは使っていません」という貼り紙がペタリ。
さらには、矢沢永吉、宇宙戦艦ヤマト、ドラえもん、舘ひろし、立花理沙のポスターがべたべたとはってある……この内装が、すんごくナイスである。
そして肝心のメニューなのだが、なかでも「ちびっこカレー」は有名らしく、かつては、250円らしかったが、今は目玉焼きがついて300円。
お店の表にはお手製のポスターが貼ってあるのだが、そのコピーが、またいい。
「祝カレー伝説!」ときて
「あのちびっこカレーに目玉焼きがついて大人になった」と続くのだ!
どうだ、かっちょいいだろ?
オレは迷わず、その大人になったカレーを食べたのだが、今日は特別サービスで250円。ヘタなお弁当やさんとかコンビニのカレーよりもしっかりとできているうえに、サービスで中華わかめスープもついた。
これは本当に感動せずにはいられない、すばらしいお店だった!
その後、打ち合わせ会場に行って、決算の話はさっさと終わらせ、相手側担当者と映画のお話。
美術館にもどってからは、いくつかポイントとなる仕事をちゃっちゃと終わらせ、8時に帰宅。
昨日、ブラスバンドを見たこともあって、「ドラムライン」を見る。
期待していたより、たいしたことのない映画であったが、やはり、マーチングバンドの演奏部分はおもしろい。
その後、豚キムチ炒めをつくって、焼酎をガブ飲みして寝る。
5月30日(火) 警察につかまるかもしれないお仕事
最近やっているダンスイベント決算と某イベントの決算業務。
まあ、力を入れるほどのことでもないので、軽る〜〜〜〜〜〜くやっているのではあるが、「考えてみると、今、オレがやっている仕事って、ヤばいことなんじゃないの? もしかしたら警察につかまるんじゃないの?」という感じなのだが……妄想であろうか?
お昼は、職場の冷凍庫の奥に隠しておいた「日清スパ王 たらこ」をチンしたものに、弁当やさんから注文した目玉焼きとコロッケを付け足して食す。
ちなみに、職場にマイプレート、マイスプーン、マイフォークを持ち込んでいるのはオレだけらしい。
7時半に帰宅。KK社仕事のゲラがど〜〜んと届いている。
が、心の準備はできていなかったので、もう明日からすることにし、「ヴィッキー・チャオのマイ・ドリーム・ガール」を見ることに。
ヴィッキー・チャオをチャーミングに見せることだけに一心を注いだ、その姿勢の潔さがすばらしい。こういう映画って、見ていて気持ち、いいんだよね。
その後、牛肉とニラのオイスターソース炒めをつくり、冷凍春巻きをあげて、焼酎で食して寝る。
5月31日(水) マッチポンプなお仕事
今日は、決算仕事のデッドライン。
ということで、綱渡りの一日が始まったのだが、変な仕事を振り込まれてしまい、動けなくなってしまったのでSさんにもろもろ依頼。銀行引き落とし、振り込み、税務署での払い込み等々やらせてしまい、たいへん迷惑をかけてしまった。
すみません、Sさん。ありがとう、Sさん。
その後、以前、チャーターしたバスの支払いに関して、まぎらわしい問題が発生…というか、発生させられる。つまりは本当であればシンプルなことを、どんどん複雑にさせていき、それでまた新しい問題が発生し、それを解決するために、また複雑にさせていく、というのが、この職場の典型的な業務パターンであるのだが、もう、これはほとんどマッチポンプ――自分で火をつけて、自分で消して、手柄をたてる――ではないだろうか?
夕刻、A社より連絡。原稿執筆要請あり。
午後6時に退館。
Eさんの車で青森駅の近くまで乗せてもらい、ドットちゃんへ。
KK社の校正仕事を3時間ほどする。
帰宅して、豚ひきにくの肉団子とサラダ。

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著者プロフィールや、近況など。

高橋賢(たかはし さとし)

映画書籍編集者。東京生れの東京育ち。
縁あって、青森に移住し、現在、青森県県庁内で美術館たちあげの仕事に従事している。
主な編集書籍に「映画監督増村保造の世界」「昭和の劇 映画脚本家笠原和夫」「無限地帯」(宇田川幸洋著)など。
 

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