むかしから、奇妙な行ないを見せつけられるのは苦手だった。痛がったり苦しんだりしている人や、いきなり泣き出したり無気力になったりする人を前にしたときみたいに、いたたまれない気分になるからだ。どうにも手の施しようのない人生の厄介な水たまり、ねちねちまとわりついてくる人間臭さは、ミスター・チャウラをぞっとさせた。 キラン・デサイ「グアヴァ園は大騒ぎ」より