top\special[その形容詞を待ちわびる−小川良子]
建造中の橋のかたわらで、ある日、リヴィエールが、負傷して倒れた男の顔をのぞき込んでいたら、一人の技師が言ったものだった、「この橋を、一人の男の顔を拉いでまで架ける値打ちがあるのでしょうか?」この橋を利用する農夫はすべて、一人の例外なしにこの男の顔を恐ろしい面相にするくらいなら、よろこんでこの次の橋から回り道をするはずだと思われる。しかし、それにもかかわらず人は橋を造るのだ。

サン=テグジュペリ「夜間飛行」より

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