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[その形容詞を待ちわびる−小川良子]
言われたとおりにジェーンは誕生日に自分でケーキを買いに出た。帰り道にはどしゃ降りにあった。ろうそくを三十本はもらえなかった。店の女が袋に入った三本入りと五本入りとを見せて、どちらにします?と聞いたからだ。
ろうそくを吹き消す瞬間とっさに何か願い事をしなければと考えて、ジェーンはうっかりろうそくの火がひと息に消えますようにと願ってしまった。
小川良子 思いつきで書いた断片的な小説より
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