topreviews[暗渠マニア うしだよしゆき写真展/茨城]
暗渠マニア うしだよしゆき写真展

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トンネルを抜けると
そこは・・・

TEXT 藤田千彩

5ヶ月ぶりに水戸芸術館へ行った。
そして、1年ぶりくらいに「キワマリ荘」(画像A)を見た。
つまり、愛知県犬山市にあったときに行って以来、水戸へ移転してから初めて行った。
水戸芸術館でキワマリ荘までの道を聞いたら、「Map・i Navi」(マピナビ)を見せられた。(画像B)
初めて行っても迷わないよう、飲食店も細かく書いてある地図がついているフリーペーパーで、アート情報も載っている。

観光客気分で慣れない道を歩く。
犬山と同じ、住宅街の、家と家の間の細い路地をくぐり抜けたら、あった。(画像C)
そして展示されていたのは、暗渠(あんきょ)と呼ばれるトンネルのような水路を撮影した写真だった。

うしだよしゆきは、鉄道マニアでカメラマンらしい(本人に会ってないので、らしいと書いておく)。
撮影されている場所は、うしだが住む愛知付近のもの。
水戸の住民からすれば、地名さえ馴染みのない外国のような場所であろう。
しかし日本国内での風景写真なのだ。(画像D)
なぜなら「こういう場所は見たことがある」と思い出すような場所。
一見トンネルのような形状の暗渠、橋の下など、どこの町でも見かける景色の写真が、ぎっしりと壁を埋めていた。(画像E)
撮影された場所の地図やその場所のことを記した碑かなにかの拓本(画像F)も展示されていた。

ところで、そもそものキワマリ荘に話を戻そう。
「キワマリ荘」は、愛知県犬山市でアートドラッグセンターの別称であり、ペインターである有馬かおる(画像G)が運営していた。
犬山で10年め、今年2007年に茨城県水戸市に「水戸のキワマリ荘」としてオープン。
犬山同様、立派な展示スペースとしてキワマリ荘は存在している。
(ちなみに犬山のスペースは、有馬ではない別の人が運営を引き継いでいるので、まったくなくなったわけではない。)
この場所は年末までで、来年からは現在の場所からすぐのところへ、他のアーティストのアトリエなどと共同利用となるスペースへ移転するそうだ。(画像H)
水戸芸術館へ行った際には、ぜひ足を伸ばして、キワマリ荘の展示や有馬かおるとの会話を楽しむことも、オススメしたい。


暗渠マニア
うしだよしゆき写真展

水戸のキワマリ荘(茨城県水戸市)
2007年9月1日〜10月28日
 
著者プロフィールや、近況など。

藤田千彩(ふじたちさい)

1974年岡山県生まれ。
大学卒業後、某通信会社に勤務、社内報などを手がけていた。
美学校トンチキアートクラス修了。
現在、「ぴあ」「週刊SPA!」「美術手帖」などでアートに関する文章を執筆中。
chisaichan@hotmail.com




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