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[Girly The Show/石川]
Girly The Show
しょうゆ味でガーリック食う
TEXT 藤田千彩
oxydol入口
「しょうゆ味でガーリック食う」??
「しょうゆ蔵でガーリーな展示を見る」を言いたかったんだ。
でも、しょうゆのようにあっさりとしたガーリックが今どきの女性だと思う。
金沢の市街地から、日本海を臨む金沢港の方向へ、車で30分。
古くからの醤油蔵が集まる大野町に、展示スペース「oxydol」(オキシドール)がある。
同所にアトリエを構える村住知也が、主に管理、運営しているが、今回の「Girly The Show」は、この3月まで金沢美術工芸大学の大学院生だった南なつがキュレーションを務めている。
女性3人の展覧会で、“ガーリー”つまり“女の子”がテーマとなっている。
蔵の中では、2人の作品が展示されている。
「アイドルドレス」など[
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左から「スザンナ」、「シャルロット」、「キャロリーナ」(いずれも2007年制作)
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リカちゃん人形たちがコイケのドレスをまとって住んでいる「アパートメントドレス」(2007)
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コイケジュンコは、包装紙や絵柄の入った髪、またそれらをコピーした紙などで、洋服、靴を制作している。
着飾ることが好きな、女性の物欲を表現しながら、紙というはかない素材、デザイン性に乏しい図柄や図案、
色のさえないコピーという手法を使って、現実から遠い別世界の服を作り出している。
とだまきこは「ふた駅つぎの宇宙」というタイトルのインスタレーション。
それは触ると光る、インタラクティブな作品。
暗い室内できらめく家型の光は、忘れていたぬくもりのようでもあり、少し遠くなった実家のことを思い出す。
それは自分で触らないと光らない、つまり、接触しないとつながりを保てない、ちょっとした距離感と寂しさを感じるのだ。
作品部分
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インスタレーション全景
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西田茜の絵画は、無機質だがデザインのようでもある。
女性は必ずしもオンナノコとして存在しているわけでなく、サバサバした側面も持っている。
そんな雰囲気を感じさせる作品だ。
景色を眺めるように、あるいは、景色を切り取ったように、あっさりとキャンバスに描かれたものを眺めていると、そうだ、それでいい、と何かふっきれるものを感じさせてくれる。
左「under construction」右「parking」
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左から「no title」、「rain」、「tank」、「no title」
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80年代や90年代のように、女性が、とか、女性だから、とか、言われなくなった2000年代。
女性であることは、もはや性差は問題意識ではなく、ある特技のようなものに感じさせる。
それをいまさら逆手に取ったような展示は、かわいい、きれい、といった形容詞では女性が括れないことを教えてくれた。
Girly The Show
oxydol
(石川県金沢市)
2007年4月7日〜8日、13日〜15日
著者プロフィールや、近況など。
藤田千彩(ふじたちさい)
1974年岡山県生まれ。
大学卒業後、某通信会社に勤務、社内報などを手がける。
美学校トンチキアートクラス修了。
現在、「ぴあ」「週刊SPA!」などでアートに関する文章を執筆中。
http://chisai-web.hp.infoseek.co.jp/
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