バスを改造した移動型美術館「MOBIUM(モビウム)」
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追っかけろ!「SHOBO SHOBO BUS TOUR」
TEXT 友利香
「SHOBOSHOBO」(ショボショボ)とは、フランス人アーティストであるメディ・エルスベルグが主催する、日本人アーティスト開拓を目的にした活動の総称のこと。
フランスから、オリビエ・ラム、ステファ ン・ラポルテ、ダビデ・バルラの3人組を加えた4人で、サウンドアート中心の展示やライブ(電子音楽、エレクトロニカ、ノイズミュージック)を行っている。
この夏は、日本代表アーティストのloziが運転する、バスを改造した移動型スペース「MOBIUM(モビウム)」で日本全国巡回中!各地で、ジャンルに捉われないアーティストや市民たちと、コラボレーションしている。
私が行ったのは、8月7日の「MOBIUM」、山口県秋吉台・景清洞でのパフォーマンス。
秋吉台カルスト・ロードを車で走っていると・・・あっ、発見!来てます来てます、お洒落なバス!
バス外側には、メディ自身による、底抜け愉快なドローイング、窓には、かわいいプリント・トレーナーが、ずらり。
車内ではドローイングや映像、音の作品が楽しめるらしい。そう、バスは、運輸・移動手段だけでなく、創作空間、展示空間、各地を結ぶ情報手段なんですね。
この景清洞は、探検コースとして、自然のままが残された鍾乳洞。
中は真っ暗闇で、わずかなライトだけ。天井からは、ポタポタと雫が落ちてくる。
気温は14〜18度。寒い。
さあ、いよいよ、開演。
メンバーたちも、ヘルメット・ヘッドライト・長靴・雨合羽姿で登場。
まずは、奥の方から、フランス人アーティスト4人組によって出される電子音がする。ノイズ音なのだが、なぜか心地よい。それは、私の目が洞内を見渡せるように、ぐるりぐるりと首を動かさせる。
あとで聞くと「洞窟内の音を取り込み、即、その場で(スピーカー内部で)加工している」とのこと。なるほど。。。その場所の音で、
その場所の風景を立ち上げたものなのだ。
暗闇の中、足を道から踏み外しながら(笑)、奥へ奥へと進むスピーカー隊に、観客は、喜々として、ついていくことになる。
その頃、入り口付近から、ドラムの音が。もしかして、一楽儀光さんのドラムによるコンピューターコントロールシステム「ドラびでお」か?・・・(私は間に合わず、確認できなかった。)
駆けつけた時は、田尻 麻里子さんの壁面を使ったパフォーマンスが始まっていた。 表面が複雑な鍾乳石に映される映像は、まるで水で描かれたドローイングのよう。
そしてYuko Nexus6さんの「MOON・・・月・・・WATER・・・」の濡れた語り。ということは、彼女のテーマは、『月と水』。途中、「あぶくたった煮え立った〜、煮えたかどうか食べてみよ〜♪」の甘い歌声。そう、月だけが知っている、水だけが知っている、石だけが知っている出来事・・・。太古から何も変わらない、月、水、石の行為。
loziさんの、音とドライアイスのパフォーマンス。 煙が、ふわ〜んとたちこめてきて・・周囲は何も見えなくなる。ランプの灯りひとつ。
「ランプを見ててごらん、イリュ−ジョンが見えるよ」と、声が。。。
この日のパフォーマンスには、いずれも、 洞窟内の雰囲気に同化したいという、ありがちな意思はなく、 独立した意思を感じるのだが、
かと言って、主張を押し通したわがままもなく、その場の雰囲気を音・映像で立ち上げていた。
これも聞いた話だが、前日は、山口芸術情報センターパーキング内での巡業終了後、山口ちょうちん祭りに繰り出し、「よさこい節♪」まで、ノイズ・ミュージックに加工してしまったとか。
(楽しかっただろうなあ)
この「MOBIUM」は、8月31日まで、全国各地を回ります。
彼らに出会ったならば、あなたはきっと、叫びます 、「LUCKY!HAPPY!」
著者プロフィールや、近況など。
友利香(ともとしかおり)
現代日本彫刻展会場では、作品設置が始まりました。
私は、お肌に優しい黒装束。黒子姿で、ウロついています。
作品設置は、めちゃ楽しい!
設置風景はコチラ
http://www.city.ube.yamaguchi.jp/choukoku/
国民文化祭・やまぐち2006彫刻展、出品作家発表!
2年続けて宇部へどーぞ!
「彫刻の街」山口県宇部市在住。子供を通じて児童心理と絵画との関係に興味を持つ。
真の開眼は若林奮。好きな作家は柳原義達から会田誠と幅広い。
現在、アートを広めようとボランティア活動中。
宇部の彫刻
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