展示風景
やわらかい絵画−夏の思い出
TEXT 蛭田 直
PEELER5月号でも紹介したことのある大谷有花は、2001年「第6回昭和シェル石油現代美術賞」に入賞、2003年「VOCA2003」(上野の森美術館)で、VOCA奨励賞を受賞するなど、とても活躍している新進アーティストである。
大谷の作品は、キミドリ、アカ、ピンクなどの鮮やかな色彩で、見ていて柔らかい気持ちにさせてくれる。
岡山県倉敷市にある「工房 IKUKO」にて行われた「大谷有花 展 - with - 白磁とのコラボレーション」展では、大谷と同年代に近い作家による白磁の作品とが展示され、絵画だけの展示にはない空間を作り上げていた。
大谷が昨年より制作している《白いソファー》シリーズと白磁との作品が一つの空間にあると、自分の生活に作品を飾るならこのように飾りたいと感じる。彼女の作品は日々の生活での、とがった気持ちを丸めてくれる魅力があるからだろう。
この展示では、《ウサギねずみの対話》に描かれている動物が入浴している立体作品もあり、この作品が白磁と大谷の名面の作品をつなぐ、よいクッションになっていると感じた。
著者プロフィールや、近況など。
蛭田 直(ひるたすなお)
1976年生まれ
Webデザイナー
倉敷芸術科学大学 非常勤講師 |
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