オープンまで2ヶ月を切った
「横浜トリエンナーレ」レポート!
TEXT 藤田千彩
太陽がまぶしすぎた8月3日、プレス向けに「横浜トリエンナーレ内覧会」が開催されました。
去る8月1日に、参加作家がすべて決定し、着々と準備が整いつつある「横浜トリエンナーレ」を取材してきました。
総合ディレクターの川俣正みずから案内をする、というので早速集合場所へ。
数多くのメディア関係者が集まった。
入口の反対は、既に設置されたすばらしい目立ち具合のコンテナで作られた門、ルック・デルーの《Speybank》。
ちょうど横浜マリンタワーの前であり、広場になっていて、待ち合わせもしやすい。
門からしばし歩く。
横浜といえば・・・タイヤ。
ということで、タイヤが積み重なっている倉庫を横切る。
私たちは暑い中どんどん歩く。
着いたのは、埠頭の一番突っ先にある倉庫。
そこで、川俣さんが話を始める。
暑さで朦朧とした状態では、まったく話が頭に入らない・・・。
1つめの倉庫を越えると、中庭がある。
パフォーマンスやダンスはここで行われるそうだ。
今のところ、なにもない。
と思ったら、隅のほうにこんな謎のコンテナ発見。
誰かの作品でしょうか?
コンテナの中も、なにもない。
中庭を抜けると、2つめの倉庫。
ここもまだ、作品はない。
しかし、普段から話し合いをしているという机と椅子(写真右部分)、
今回用に会場模型が設置されていた。
ここで模型を使った話を聞いた。
私の乏しい想像力のでは、何もない現場に作品を想像することは、さすがに限界だったのでありがたい。
模型はかなり精巧で、おおまかな作品のミニチュアや小さな複製画など、
面白いくらいに作られていた。
さすがアトリエワンやみかんぐみといった設計集団を駆使しているなあ。
「見る」という流れが作るストーリーはないものの、
動線を明確にし、個々の作品を見ることを重視する展示方法を取るそうだ。
日本人作家の1/3は日本にいないそうだ。
つまり、海外で活躍しているということは、海外での展示にも慣れている人ということになる。
また、今回は世界的に名の知れた大物はいないが、若手のアーティストを多く取り上げているそうだ。
ダニエル・ビュランの700mもの通路をくぐって会場に着く。
食事をしたり、途中で休憩をしたりしながら、ゆっくりと時間を掛けて回ってもらいたいとのこと。
そういやあ秋から冬に掛けての会期ですが、埠頭の突っ先で寒くないのか不安になった私。
場所がら、という訳ではないが、既に「耐震設備」で「2億円使った」そうだ。
ほら、この天井の梁。
窓には大きく「×」型に梁が組まれている。
いまはカタログの編集にいそしんでいるそうな。
データブック+横浜トリエンナーレのプロセスをまとめたものと、
すべて会期を記録したものをまとめたものの2冊組、だそう。
倉庫を開けたところから、その倉庫を閉じるところまで、
「そこで何をするか」ではなく、「そこで何が起きたか」のドキュメントをまとめるそうだ。
それによって、「展覧会とは何か?」ということが分かる、という。
まったく川俣さんらしいなあ。
また次回ニュースがあったら、レポートします。