山本聖子 《solid drawing of emptiness》 物件広告間取り図、ラミネート、アクリル、木製パネル 200.0×250.0×9.5 cm
山本聖子(1981〜)の作品、《solid drawing of emptiness》である。住宅の平面図の枠部分だけを切り取り繋ぎ合せて透明なアクリル板に貼り付け巨大な作品に仕上げたもの。かなり細かい作業である。しかも透明アクリル板と壁面とを10センチほど離して設置している。そこに見えるものは切り取り貼り付けた平面図の集積である実像と背後の白壁に映る影である虚像との響き合いの素晴らしさ面白さである。珍しい世界が現れていた。住宅の平面図という日常どこにでも見られるものをこのようにして変貌させ作品にまで仕上げる発想は凄い。発想の良さと丹念に制作する根気に感心した。昨年7月に開催された「新世代への視点2010」展ではじめて見て印象に残ったアーティストである。